知り合いの女/Someone Special

大人の男女のウブな恋模様


  

ソウルへ出発するまでは、今回の訪韓がチョンドヨンの新作「人魚姫」の公開にどんぴしゃで、上手く行けば舞台挨拶も観られるかなぁ、と期待していた。
が、残念ながら公開が延期になっていて、まだ上映すらされていなかった(公開されたのは6月30日)。
まぁ、これは韓国ではよくあることなので仕方ない。どこかで試写会をしていないか検索したけど、それもやっぱりない。
う〜む、残念無念。予告編はよく流れていたし、ポスターも多く拝見したけどね。サントラのCDを買ったらポスターをくれたので、いいおみやげになりました(街に貼ってあるポスターを剥がさなくて良かった)。
前評判は上々のようなので、いつかどこかのスクリーンで拝見する日も来ることでしょう。涙、涙、涙...。

MEGABOXは早朝の8時台から上映しているので、予定が組みやすいのが嬉しい。しかも、早起きをすれば、ちびっと安く映画を観ることが出来る。この日は「知り合いの女」「俺も行く」「霊」の三本をここで拝見する予定。

イナヨンとチョンジェヨンが主演の一風変わったタッチのラブコメディ。
う〜む、韓国映画でもこんなストーリーが語られるようになったんだなぁ。ちょっと意外な気もする。
バリバリの純愛モノではなく、軽いタッチのコメディ。普通、こんな年頃の男女なら、すぐに結婚を意識するか、それともドロドロの泥沼に突入するかなんだけど、いい年をした大人の男女がまるでハイティーンのような恋模様を展開するのは、何とも言えず新鮮。

それにしても、チョンジェヨンがいい味を出している。彼の設定が絶妙。今までボクが持っていた、「ガン・アンド・トークス」や「シルミド」などのチョンジェヨンのイメージを一新させてしまう。
かつては大活躍のプロ野球のエーズ投手だったのが、今は二軍暮らし。しかも優勝を決める大事な試合で大チョンボをしてしまい、対戦相手のファンから胴上げ(!)される始末。
冒頭、そんなチソン(チョンジェヨン)が付き合っていた彼女から別れ話を切り出される。この5分ほどのカットだけで「今から始まるこのお話しは、こんなお話しですよ」と観客に教えてくれる。これはなかなかの腕前。
そして、恋人に振られたチソンは、その日のうちに医者から、余命幾ばくも無いことを宣言されてしまう。なんとまぁ、残酷な展開なんだろう...。

イナヨンについては、今まで全く知らなかった女優さんで、なんか不思議な魅力を持った人です。
単にかわいいだけでもなく、もちろんフェロモンお色気ムンムンでもない。今回の役もあるだろうけれど、若いのにどこか枯れたような、達観したような不思議な雰囲気を漂わせている。

こんなチソンとイヨン(イナヨン)の二人が、不思議な関係を展開していく。 正直言って、毒にも薬にもならないお話し。軽い気持ちで観て、それなりに面白い。だけど、いつまでも心に残るような映画かというと、どうかな?
ただし、この作品は二人の微妙な掛け合いで成り立っているので、言葉の壁があるボクにはかなりのハンディキャップがある。しっかりとした字幕付きで観たら、実はとっても面白い映画なのかもしれないねぇ。
それに、ボクは知らないけれど、韓国では著名な人がいろんなシーンに出ているようで、客席は沸くけれど、その意味がボクにはさっぱり理解出来なかったシーンも少なくなかった(悔しい〜!)。
舞台はおそらくソウルだと思うんだけど、この二人がそれぞれ住んでいる家が凄い。お互い近所なんだけどね。
ラスト、韓国シリーズ(?)をみんなで観ているのは良かったです。

そうか、ボクにも自分で気が付いていないだけで、イヨンのようにそっとボクの背中を何年も追いかけてくれている人がいるのかな?
こうやって思い出しながら書いていると、ひょっとしたらこの映画はそこそこ評価されるべき作品なのかもしれないなぁ...。

さて、日本での上映はどうでしょう? 
今後、主演の二人が何かの拍子で日本で大ブレークすれば別だけど、ちょっと難しいかもしれませんね。どこかの映画祭なら可能性もあるかな?

次回は、韓国では結構人気があるのに、何故か日本では出演作があんまり紹介されないチョンジュノ主演のコメディ映画、「俺も行く」です。

おしまい。