ル・ディボース〜パリに恋して

フランスでは角砂糖が愛用されている


  

人間ドックなるものに行ってきた。
例年3月末の頃に受診するんだけど、今年はその時期に行きそびれてしまい、伸び伸びなっていたのをようやく行ってきたわけだ。40年以上も人間をやっていると、あちこちに調子が悪いところも出てくるのだろう。でも、ボクの場合、そうストレスを貯めるわけでもなし、好きなことを好きなようにして生きているから、今のところは大丈夫(なようだ)。そうまるで、霞を喰って生きているようなもんだ。もっとも、シーズン中の忙しい時期には体調不十分なこともあったけどね。
今回は、バリウムを飲む胃のレントゲンが検査の前半部分にあった(いつもは一番最後にある)。このバリウムを飲むこと自体も嫌だし、ぐるぐる回らされるのも嫌だ(スピード感がない人間ジェットコースターみたい)。
で、思いっきり気分が悪くなってしまった。それに、終りにバリウムを体外から早く出すために下剤を飲まされるんだけど、それも良くなかったみたい。一日中気分がすぐれず、翌日も仕事を休もうかとさえ思ったほど(ちゃんと行ったけどね)。
人間ドックに行って、体調を崩してたら、ほんま何のために受診したのかわからない!

さて、この日はナオミ・ワッツのはしご。
彼女、当然アメリカ人なんだと思い込んでいたけれど、英国人なんだそうですね。知らなかった。「マルホランド・ドライブ」では、スターになることを夢見て田舎から叔母さんを頼ってハリウッドに出てくる役だったけれど、実は良く似た経験をしていたんだ!
その他には「ザ・リング」でも熱演していた。ボクのひいきの女優さんなんです。ブロンドのベッピンさんですね。だけど、ツンとすましたところがなくて、かわいい感じ。いいなぁ、この人。

まず「ル・ディボース〜パリに恋して」。
主演はどっちかと言うとケイト・ハドソンの方かな。この人、どこかで観たと思ったら「あなたにも書ける恋愛小説」でタイピスト(ヒロイン)をしていました。この人は、切れ長の目をしたなかなか個性的な顔立ちをしています。
なんか、よくわからない。結局、パリに住む米国人の姉妹が経験する恋愛を取りとめもなくスケッチしたようなものかな。

姉ロクサーヌ(ナオミ・ワッツ)が、パリに住むこと、娘や自分がシャルルという姓を使うことに、何故そしてどこまで固執しているのか、それを教えてくれないから、ストーリーそのものが理解出来ない。
娘がいて、次の子を妊娠している最中に離婚を切り出される。怒るのは当然として、普通は実家(彼女の場合は米国)へ帰るよ。離婚するかどうかは別にしてね。だけど、まず「離婚しない」がありきで、それが何故なのかこっちには伝わって来ない。
そして、姉を手伝うという名目で妹イザベル(ケイト・ハドソン)がパリにやって来る。そしてイザベルがお話しをさらに複雑にしていく...。

エルメスの赤いクロコの“ケリーバック”っていったいいくらぐらいするものなんだろう。ちょっと想像が付かないんだけど、きっと時間を超えたデザインで、女性垂涎のバッグなんでしょうね(そんなに凄いものには見えなかったけど)。
だから、ほんとうは次々に愛人を作るエドガルと、その愛人に律儀にエルメスのバッグを贈る習慣(?)と、米国人女性イザベルのことを中心に添えたお話しにするべきだったんとちゃうかなぁ。その方が焦点が絞れて面白くなったと思う。
訳がわからない、ロクサーヌの旦那の浮気相手の主人を登場させたのも、ちょっと意味不明だし、あげくにロクサーヌの旦那が死んでしまうってどういうことよ! それに、実は凄い値段が付いてしまったラトゥールの絵もどうなんでしょう?

もう大阪での上映は、ひっそりと終わってしまいました。
ナオミ・ワッツやケイト・ハドソンの熱烈なファンの方ならいざ知らず、そうでない方には毒にもクスリにもならない、そんな映画だと思います。ガーデンで10名ほどの入りでした。

次回は久々に行ったピカデリーで拝見した、もう一つのナオミ・ワッツの出演作「21グラム」を紹介する予定です。

おしまい。