スクール・オブ・ロック

もう、乗りかかった船


  

神戸から東京へ異動したモリアキ総務部長が、劇場で観て涙を流したという「スクール・オブ・ロック」。
恥ずかしながら、ボクも映画を観て涙することは少なくない。韓国映画お得意の催涙・難病・悲恋ものなんかには特に“弱い”。さて、今回は???
劇場は梅田のOS劇場。C・A・Pの方へはよくお邪魔するけれど、OS劇場そのものへは久しぶりのような気がする。予想外のお客さんの入り。口コミでそこそこ人気なっているのかな?

さて、いささか強引な語り口で物語りは一気に進んで行く。いささか深みのないその語り口に違和感を覚える方もいらっしゃるかもしれませんが、それこそ“乗りかかった舟”。もう、エンディングまで途中下車など出来ないょ!

人間、誰でも、何かのきっかけで、ふと立ち止まって自分の足元を見つめなおすときが来る。自覚することもあれば、誰かに否応がなく見つめさせられる場合もある。
デューイ(ジャック・ブラック)の場合、自分が作ってリーダーを務めるロックバンドから突然クビを言い渡され、部屋をシェアしている気の弱い友人で同居人のネッド・シュニーブリー(マイク・ホワイト)からは部屋代を払わないのなら出て行けと、事実上の退去命令が宣告される(しかし、友だちの名前の綴りもちゃんと書けないとは...)。
まぁでも、それも何となく頷けるようなデューイのダメダメ振りが画面では展開されているからね、それにダメダメを増長させるような体形といい、まぁ「しゃあないな」って感じか。
そして、デューイは否応なしに自分の足許を見直しはじめるわけだ。しかしその結果、一番最初に取った行動が、愛用の楽器を売ることだったり、新しいバンドのメンバーを募集するビラを貼ることだったから、彼の人生の見直し方はまだまだ「足りなかった」んだろうけどね。

そんな時、デューイの運命を変える電話が掛かってくる。

なんの躊躇もなく、エリート私立小学校の代用教員を引き受けてしまうところが、何ともまぁ凄い。そうだ、人間開き直ったら何でも出来るんだ!
そして、デューイは同居人シュニーブリーに成りすまして、名門小学校へのこのこ出かけていく。それにしてもデューイの素性というか匂いを見破れない校長も校長。すんなり受け入れて10歳のクラス(3年か4年生やね)を任せてしまう。
ここからはもうまるで勢い良く“坂道を転がり落ちる”ような怒涛の展開と進行に、黙って腹を抱えているしかない。
“お決まりのパターン”と言ってしまえば、身もフタもない。それでも、ぐいぐいと引っ張って行ってくれる何かがこの映画にはある(ように思える)。

結局、何も変わってはいないのかもしれない。
でも、やっぱり何かが変わっているんだろうな。一生懸命打ち込むことの素晴らしさ、例えそれが少々変な方向を向いていようとも、そんなことを教えてくれる。
優勝出来なかったこと、学校に全てばれてしまうこと、上手くいったわけではない。でも、そんなことどうでもいいじゃないの。それによって、一生懸命努力したという事実は変わらない。

軽い気持ちで観て、十分楽しめて、ちびっとジーンと出来る(かもしれない)。ロックが好きな人ならなおのこと、知らない人でも十分楽しめます。
あぁ、ボクも子供の頃、こんな先生に巡り合えていたらなぁ(もっとアホになっていたかも?)。
まずまずの作品、もちろんスクリーンでご覧になるのがベストですが、ビデオやDVDでも楽しめると思います、是非!

おしまい。