「スパニッシュ・アパートメント」

これもひとつの青春


  

連休の後半は雨になってしまった。もったいないなぁ。
この日は久々にベーコンを燻した。三枚肉の塊を買ってきて、塩をすり込む。一つはセロリ、もう一つはガーリックを一緒にビニール袋に入れる。これを冷蔵庫で数日寝かし、燻す前に水で洗う。燻したてでまだ熱いうちに大きめにスライスしてぱくつくのが一番旨い(今回も上手に出来ました!)。仕方ないけれど、出来上がるまでにずいぶん時間(下準備も含めると3〜4日、燻すだけでも4時間)がかかるのが玉に瑕。

連休の谷間に観たのは「スパニッシュ・アパートメント」。OS劇場C・A・P。夕方の回だったけれど、そこそこ入っている。
知った顔が出ているわけでもない。唯一見た顔は「アメリ」のオドレイ・トトゥ、主人公の恋人役。この人、年齢不詳のところがありますね。この作品の撮影は「アメリ」よりも早かったそうです。
青春群像と言うには、少し年齢を喰い過ぎているかもしれないけれど、やっぱり一つの青春物語り。

グザヴィエはパリに住む大学生。就職に有利だからという理由で、ヨーロッパの交換留学システム“エラスムス計画”に申請して、スペインのバルセロナに一年間留学する。この留学を通じての出合いと別れがこの映画。
グザヴィエは特に美男子でもないし、マッチョでもない、どちらかと言えば背も高くないどこにでもいるような普通の青年。そんな彼がこのバルセロナでの一年でどう変わっていくのか。

ストーリーは大きく分けて三つ。パリに残してきた恋人マルティーヌとの恋の行方。バルセロナへの飛行機の中で出逢ったフランス人医師の夫婦との微妙な関係。そしてメインは、グザヴィエが一年を過ごすことになる家をシェアする多国籍な仲間たち。
この映画を紹介するのは難しい。それぞれの青春を短い言葉で表現できないように、グザヴィエとその仲間たちが過ごしたバルセロナでの密度の濃い一年を短い文章ではとても表現できない。
思い当たるエピソードもあれば、驚くことも、呆れることもある。ある意味「これが、青春!」なのかもしれない。 そして、ストーリーを脇で彩る(いや、実は主役?)のは、混沌とした中にも美しいバルセロナの街並み。行ってみたくなること、間違いなし!

つくづく、ボクは青春モノに弱いなぁ。勉強するのはもうイヤだけど、かなうことならもう一度戻りたい。そして、世界を旅してみたい。

出演する女性陣が、皆さん素敵。医師の妻アンヌ・ソフィ(ジュディト・ゴドレーシュ)、クラスメートで同居人のイザベル(セシル・ド・フランス)、そして英国人の同居人ウエンディ(ケリー・ライリー)。
男たちも個性派揃いだけど、中でも秀逸なのはウエンディの弟ウィリアム(ケヴィン・ビショップ)。役者が上手いというより、彼のキャラクターが素晴らしい! 要注目ですョ。

まずまずのオススメ。コメディでもなく、感動ものでもないけれど、観て損のない作品だと思います。
もうしばらくOS劇場C・A・Pで上映しているはずです(5/21まで)。

おしまい。