「コールドマウンテン」

闘うのをやめて、帰って来て


  

世間ではゴールデンウィークに突入。もちろんボクも。
でも、昨年の今ごろはソラクサンを死ぬ思いで歩いていたのに、今年は国内に残留して大人しくしている。「関空では出国ラッシュが〜」なんてニュースを指をくわえて聴いているしかない。まぁ、のんびりさせてもらいます。

紹介が遅れてしまい、もう劇場公開が始っている「コールドマウンテン」を試写会で拝見してきました。
試写会にお邪魔するのは本当に久し振り。

一言で表現すると「惜しい!」って感じかな。
それは何故かと言うと、このストーリーと豪華出演陣が微妙にマッチしていないから。
確かにニコール・キッドマンはため息が出るほど美しいし、贔屓のレニー・ゼルウィガーは達者な演技を披露してくれている。でも、このピュアなストーリーにこの二人は残念ながらちょっと年を重ねすぎているのではないか。
ニコール・キッドマンは「ムーラン・ルージュ」の時のような、ちょっと怪しげな色香の方が似合っているのは間違いない!

物語りは美しく、切ない。

140年ほど前のお話し。アメリカでは南北戦争。南軍の劣勢が明らかになっている。
徴兵された南軍の兵士は、傷を負い入院中に手紙を受け取る。出征する前、お互いに惹かれながら、キスを交わしただけの女性から。そこには「もし、まだ闘っているのなら、闘うのをやめて、帰ってきて」としたためられていた。
キスを交わしただけの彼女。彼女はまだ自分のことを待って、愛してくれているのだろうか?
手紙を書いた彼女も考えていた。彼からの便りは届かない。彼は生きているのか? もし、生きていてもまだ自分のことを思っていてくれているのだろうか?

彼は決意する。傷が癒えたら故郷へ帰ろう、と。
それは部隊からの脱走を意味していた。そして、故郷までの移動手段は、自分の足だけ。すなわち歩くしかない。戦場から故郷までは500キロ(大阪から山口ほどらしい)。

こんないじらしく、一本気なお話し。だからこそ、もう少し若くて純な20そこそこほどのカップルが似合う。
酸いも甘いも経験した年齢では...、このお話しそのものがどうも「ウソっぽく」なってしまう。

上映時間が2時間半と聞いてうんざりしたけれど、いろいろサイド・ストーリーも充実していて、時間そのものはそんなに気になりません。それにしても、ナタリー・ポートマンは綺麗になったなぁ。
ちょっと“粗探し”のようなことを書いたけれど、ストーリーそのものは感動的でなかなかいいです。
繰り返しになってしまうけれど、二コール・キッドマンは、役に合っていないだけで、本当に綺麗。「ドッグ・ヴィル」の時も美しかったけれど、本作でも十二分に発揮されています。それだけに、このミスキャストがもったいないなぁ。
お二人で見るにはぴったりでしょう。

おしまい