「ホテルビーナス」

チョナンカン、チョナンカン


  

あんまりテレビを見ないボクでも、まぁ一応、SMAPくらいは知っている。ボクが知っている芸能人はそのまま「日本人なら誰でも知っている芸能人」なのかもしれない(ごくごく一部を除いて)。
そんなSMAPの草薙剛(=チョナンカンとよぶらしい、「薙」の漢字は別の文字)主演の作品「ホテルビーナス」。
積極的に観る予定はなかったんだけど、京都まで足を伸ばし、レイトまでの時間に拝見してきました。新京極の三条を下がってすぐにあるMOVIX京都。もちろん初めて来る劇場。この日の河原町界隈は、お花見みには絶好の週末だったためか、曇天にもかかわらず物凄い人出でびっくりしました。
劇場は半分ほどの入り、それでも入れ物そのものが大きいから100名以上は入っていたかな。若い女性ばかりかと思っていたのに、意外とそうでもなかった。老若男女が揃っている。気持ちほど女性が多かったかな。ボクのようにおっさんが一人で、というのはいなかったけどね。

セリフはほぼ全てハングル。この意図はイマイチわからなかったけれど、自己主張というか、自己満足なのか。
ロケはウラジオストックで行われたようで、一度この街へ行ってみたくなりました。簡単に行けるのかなぁ? 言葉はハングルなのに、写される街並みに書かれた文字はロシア語、そして、なぜか大部分がモノクロ。これってなかなかエキゾチックな組合せだと思う。

登場人物はそう多くない。
チョナンカンが住むホテルビーナスという名の下宿屋に集う群像劇とでも申しましょうか。
面白くなかったわけではないけれど、この映画に人気があるチョナンカンが出演していなければ、酷評されていたと思う(企画そのものが成立していなかったか)。各々が持つドラマがどうも薄っぺらくて、スケールも小さい。落語に例えて言ってみたら「小噺」の連続、一つのお話しとしてまとまっていない、と感じた。

市村正親を見かけるのは久しぶり。 数年前は彼のお芝居が好きで、よく券を取ってもらって見に行った。中座での「クリスマスキャロル」は、最前列のかぶりつきやったなぁ。このところは、とんとご無沙汰だったけどね。この映画でも相変わらずの芸達者振りを発揮しているけれど、彼(彼女?)は物語り全体から見ると、自分を語らないからちょっと異端児的な存在で、存在感はなかった。役割りとしては損をしている(いや、浮いている?)かな。
香川照之は「鬼が来た!」以来、映画に出まくっているような気がします。嫌いな俳優ではないけどね。彼とワイプ(中谷美紀)の関係も良くわからないし、とても中途半端。この二人のエピソードはある意味とても日本的で、韓国映画の中でなら、こんな中途半端には描かれないと思う。
パクジョンウ、チョウンジ、イジュンギ、コドヒについてはコメントのしようもない感じ。パクジョンウ、コドヒは「テグッキ」にも出演していたそうだけど、全く印象に残っていません(ごめんなさい)。
まぁ、映画以前にもうちょっとドラマを練ってもらいたかったな。

ボク自身、全くハングルは達者ではないけれど、この映画で日本人の役者さんが喋るハングルはとても聞き取りやすかった。下手だと言っているのではなく、いかにも日本人が発音するハングルだと思った。ハングルを母国語とする人は、この映画を観てどう思ったのだろう? ハングルの字幕付きで観るのかな?

ウラジオストックへの行き方を調べてみよう!

おしまい。