「*肩を組もうか/オッケドンム/Who's Got the Tape?」

テープの行方は?


  

「肩を組もうか」とはボクが勝手につけたタイトル。
ふと居合わせたレンタルビデオ店で騒動に遭い、その騒ぎにまぎれて何本かのビデオを持ってきてしまう。その何本かの中に、企業間の裏取引の現場を撮影したテープが紛れ込んでいたから大変なことに...。

この「肩を組もうか」、原題の「オッケドンム」とは“肩を組(んで友達になる)”という意味。裏の意味は「オッケ(=やくざ)とドンム(=主人公の男の子の名前)」なんだろうな。
たまたまビデオテープを手にしたドンムは、そのテープがてっきりエロテープだと思って再生するが、わけのわからない男たちが写っているだけなので、友人に渡してしまう。
このテープの行方をテシク(ユドングン)をリーダーとする街のチンピラ三人組が捜し求め、ドンムの身柄をどうにか確保するが...。
三人組は自分たちの事務所を急遽、警察署に模様替えし、そこにドンムを連れ込む。あの手この手でテープのありかを聞き出そうとするが、彼の手元にもテープはない。怒鳴られようが、小突かれようが、ないものは無い。
果たしてビデオテープを無事取り戻すことは出来るのか?

ただそれだけのこと。アクションはあんまりない、コメディタッチの作品。
肩に力が入っていない作品で、気を楽にしてご覧いただけます。
テープを取り戻すために、様々な困難にぶち当たり、最初は三人組に拉致されていただけのドンムが、やがて三人とチームを組んで一緒に探し出すところに「肩を組もうか」ってタイトルの意味があるのでしょうね。
でも、このストーリーは展開する方向が間違っていると思う。ビデオテープのありかそのものよりも、三人組と若者との間に奇妙な友情が芽生える部分に力点を置き過ぎて、そのために派生するサイドストーリーがテンコ盛り状態になってしまい、焦点がボケボケになってしまったかな。まぁ、もともとのストーリーがたいしたこと無いからしゃぁないか...。

リーダー(親分)役のユドングンが出てくると画面が締りますね。この人、優しそうな顔をしているのに、ヤクザの役も様に成っているし、平気な顔をしてギャグを飛ばしてくれます。ラスト付近、海岸沿いの干潟に恋人を迎えに行くシーンは腹を抱えて笑いました。また、ボクが密かに“タコオヤジ”と呼んでいる(「公共の敵」でそんな役だった)イムンシクもユドングンの間抜けな手下の役で好演しています。韓国では数は多くないけれど、彼のようなバイプレーヤーは渋い人がいますね。
気の弱い青年ドンムを演じるイソンジンは、はじめて見る顔だけど、まずまずの演技(どうやらこのお兄ちゃんアイドルグループ出身の方のようです)。彼が警察で取調べを受けている横で、これまた取調べを受けている若い兄ちゃん。どこかで見た顔だと思ったらチャテヒョンでした(クスッ!)。

チャンスがあればご覧になっても良いでしょうが、わざわざ時間を割いてまで観るのはどうでしょう? 
日本での上映は...どうでしょう?

おしまい。