「ひめごと」

幸せとは何か?


  

こんなこともあるかもしれない。観終わってのインパクトは強烈だった。
でも、印象が“強烈”だから、ごっつい映画かと言うとそうでもない。まるで「マルホランド・ドライブ」を観たときにも同じような感覚だったような気がする。

若い女性が、美貌と肉体を武器にのし上がって行く。
その様を赤裸々(?)に描いているんだけど、どこかコケティシュな部分も濃い。そのままだったら、観ているこちらが息苦しくなるからなぁ。
それにしても凄いお話し。映画の中だけではなく、本当に力(才色兼備?)があれば、こんなサクセスストーリーは可能かもしれない。
でもなぁ、ラスト近くが腑に落ちない。ここまですると、ヤリ過ぎのような気がする。最後の社長の息子のエピソードで、リアリティが一気に失われるのはちょっと惜しい。

普通の映画として公開されるのか、それともポルノなのか、この映画に関しては紙一重なのかもしれない。ボクにとってはサンドリーナを演じるサブリナ・セヴクの美しいヌードが拝めるだけでも得をした気になるけどね。もう一人の主役ナタリー(コラリー・ルヴェル)はなかなかエキゾチックなお方ですね。

ただ、思うに、容貌や美貌はいつか衰える日が必ず来る。知性や能力は幾つになってもある程度磨きはかかるかもしれないけれどね。そんなことを考えてこの映画を観ていたら、女性が光り輝く時間はなんと短いのか! 改めて驚いてしまった。

ここでこの映画のストーリーを語るのは野暮なような気がします。ご覧になって確かめていただくしかないのかもしれませんね。

映画を観終わってすぐには思わなかったけれど、今思い返してみるとこの作品のテーマは「幸せとは何か?」だったよな気がするな。それはもちろん人によって違うんだけれど。人生の目標も価値観も全員が同じわけではないからね。
ラスト、サンドリーナは「幸せ」だったのか? それを教えて欲しい。

う〜ん。大学で習ったにもかかわらず、全く覚えていないフランス語。こうやって映画を観ながら耳に届くフランス語は、なんて甘くてソフトなんだろう!

おしまい。