「伝説のワニ ジェイク」

ボクにもジェイクが見えたらなぁ


  

梅田からJRで神戸まで移動。
ボクが高校生の頃は国際松竹や朝日会館、それに三宮東映パラス、三宮会館なんかに映画を観に行ったものだけど、今は随分変わった。つい最近教えてもらったんだけど、三宮アサヒシネマがこの5月に閉館してしまうらしい。最近シートも新しくなったばかりだというのに...。確かに、シネ・リーブルが出来、神戸にはシネカノンがオープンしたとは言え、余りにも惜しい。梅田地区とはタイミングをずらしての上映が多かったので、観逃した映画を観ることも出来たのに...。残念。

で、この日は神戸アートヴィレッジセンターでのレイトショー。「伝説のワニ ジェイク」。これも梅田でのレイトを観逃していたところ、先週ここにお邪魔したときに上映されるのを知りやって来た。
昨年のアカデミー賞の短編アニメ部門にノミネートされていた「頭山」の作者・山村浩二。彼の特集上映「平山アニメーション」でも二話分ほど入っていたこの「伝説のワニ ジェイク」。その画像はなかなか印象的だった。もともとはテレビ東京で製作され放映された番組らしい。それをまとめて映画にしたそうです(まとめただけ?)。

これと言ってストーリーがあるわけではなく、極めて情緒的、感覚的なお話し(?)が24話(だったかな)展開される。
誰もが見ることが出来る訳ではない伝説のワニ「ジェイク」。そのジェイクを目撃した人を探し、その時の話しを聞く。その時の様子をビデオにまとめる。進行役はハワイ在住の日系人でフリーのジャーナリスト、シャノン・K・イヌヤマ。

最初は本当に世界中を取材して回ったのかと思ったんだけど、そうではない。しかもほとんどの人が外国人の設定なのに、その役になりきった日本の俳優さんたちが答えてくれる。それはお約束であり、楽しいものだ。
その各々のインタビューの最中、どのようにしてジェイクを見たのか、必ず回想シーンがあり、そこに山村浩二のアニメーションが挿入されるわけだ。

ジェイクを見たことが大切な訳ではない。
誰にでもある、ふとした心の隙間を感じたときに、予期せぬ方向からジェイクが勝手に向こうからやって来る。
“ジェイクは誰の目にも見えるわけではない。悲しくて、寂しくて、切なくて、日常の中で心の隙間にポッカリできてしまったエアポケット。そんな時に、ジェイクはひょっこり姿を現われるのかもしれない。”だそうだ。

別に観ても観なくてもいいようなかわいい作品だけど、24のお話しの中のひとつや二つは誰でも経験したことがあるような(まぁ、無いかもしれないけど)。そんな時にボクにもジェイクが見えていたらなぁ...。

残念ながらKAVCでのレイトショーは終了しています。既にDVDも発売されているようなので、興味があればご覧下さい。

おしまい。