「ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還」

狼煙が「思い」を伝える


  

年末にお邪魔していた香港でもソウルでも凄い人気で、毎回「売切御礼」の札が出ていたこの映画。観ようかなとも思ったけれど、210分の長さと、それでなくても複雑極まりないこの物語りを日本語字幕ナシで理解する自信が無くて見送っていた。
先週からようやく日本でも公開がスタート。その週末は梅田では各回とも座席券が売切になっていたらしい(そう言えば、梅田では全館指定制のスクリーンが増えたね)。遠ざかっていた映画のリハビリ(?)も兼ねて観てきました。

しかし、長い。
頭の中では210分とは3時間半だとはわかっていても、10時にスタートして、終わるのが13時半なのには、ちょっとね。観やすい座席を確保して、それこそ「腰を据えて」取り組まないとあかん。飲み物もちゃんと用意しましょう。

前回に引き続いて、前作からの前置きも何もなくいきなり始まる(でも、それでなくても本編が長尺なんだから、前作の前置きは無くて「正解」だと思う)。
こちらは前作からほぼ一年空いているわけだから、お話しをすっかり忘れている。暫くしてから「あぁ、そうやった」と思い出していく(可能であれば、前作の復習をしてから本作をご覧になることをオススメします)。
本作の特徴は、ひたすら闘うこと。とにかく、汗臭く、泥臭く、闘いが続く。観ているこちらは、その闘いの必然性を記憶の底から思い出そうと必死になってる。
凄い音響で、音の波が座席にまで襲いかかって来る(是非、音響の良い劇場でご覧下さい)。ビンビン響いてくる迫力に、思わず身をのけぞる。

ストーリーそのものはここで改めて紹介するまでもない(と思う)。
闘いが続きながらも、ストーリーは収束に向かって一気に駆け出して行く。ここまで来たら、主人公たちはもう「旅の仲間」って感じではなく、それこそ「選ばれし人々」やね。

この三作目の主演は一体誰なんだろう? フロドではなく、アラゴルンなのかな(タイトルも「王の帰還」だしね)。
アラゴルンを観ていると、どうも彼の顔がヴィンセント・ギャロに見えて仕方なかったのは、ボクだけでしょうか? オーランド・ブルームはその二枚目さがより際だって来ましたね。イライジャ・ウッドはツメの形が悪いなぁ...。サムとゴラムの掛け合いも面白かったし、ピピンとメリーも今回は出番が多かった。

まぁ、しかし、あまりの迫力に圧倒されっぱなしで、感覚が麻痺してしまうよね。
闘い(旅?)が終わって、ホビットたちが村に帰ってからも、身体中に「痺れ」が残っていて、何か満足感というよりも「喪失感」を覚えてしまう。それとも「やっと終わる」という安堵感なのかな。

蛇足ですが、前回も書いたけど、このシリーズの女性陣はどうも魅力不足。
「男たちの物語」だから、わざとそういうキャスティングにしたんだろうけれど、もうちょっと考えて欲しかったなぁ。そう思ったのは、きっとボクだけではないはず。

結論を申し上げると、好きか嫌いかとかではなく、一部、二部をご覧になっていて、3時間半のお時間がある方は是非ご覧下さい。
また、まだ一部、二部をご覧になっていない方は、「スペシャル・エクステンデッド・エディション」のDVDが出ているようなので、そちらをご家庭でご覧になってから、是非劇場へ足を運んで下さい。

前作に続いて、伊丹にあるTOHOプレックスで拝見しました。ここの#1スクリーン、スクリーンは巨大だし音響もとてもいい、座席も申し分なしです。
朝一の回とは言え、広い劇場に50人ほどの入り。ほんまに大丈夫なのか。心配です。最近オープンした高槻の方はどうなのかな。そう言えば箕面のカルフールにもシネコン出来たしなぁ...。ボクの希望としては塚口あたりに新しいのドカンと作って下さいよ(西宮北口でもいいけど)。

おしまい。