「28日後...」

無人のロンドンは恐ろしい


  

10月に入ってからいよいよ忙しくなり、映画を観るのもままならない。どんどん見逃している! しばらくはこんな状態が続きそうだ。
映画を観ることが出来ないどころか、数少ない観た映画のご紹介も出来ない。あかんなぁ。今回ご紹介する「28日後...」も随分前に観たのになぁ。ずるずると時間ばかりが過ぎてしまった。ごめんなさい。

さて、予告編だけは何度も観ていたこの「28日後...」。ある土曜日にようやく観た。お話しのスケールが大きく、なんか久し振りに「映画らしい映画を観た」という気になりました。
ある意味では「サルの惑星」のようなストーリー。ある日、目が覚めると世界が変わっていた、というヤツだ。これに良く似た感覚は、昔だと合宿に行っていてとき、近頃だと旅行へ行っていたときに感じる。ちょっとニュースに触れていない間に、何かと世間の話題から取り残されている、そんな感覚。

ジム(キリアン・マーフィ)は交通事故に遭い病院の集中治療室に運び込まれる。そして意識を失ったまま28日後に目を覚ます。そして彼が目にしたのは...。
やさしい看護婦さんが「気がつかれましたか?」と微笑みかけてくれたのではない。そこは、がらんと人気が無い廃墟。
ジムは起き上がる。長い間寝ていたので、足に力が入らない。ベットから降りるとき、床に崩れ落ちてちまう。腕につながれたいた点滴の管がこんがらがる。
彼は声を出す、人気の無い病室に向かって「ハロー」と叫ぶ。何度も、何度も。しかし、彼の呼びかけに返す言葉は無い。

ある意味、ミステリアスで恐い映画だ。
特に最初の1時間ほどはバツグンの出来だと言える(と思う)。1時間を20分ほどにしか感じなかった。しかし、ラジオで耳にした声を頼りに出掛けた軍の部隊と合流するあたりから輝きが失せてしまうのはどうしてだろう? 
今までのSF調から、世俗的なものに流れが大きく変わってしまうのが惜しい。主人公が闘う相手が変わってしまうからだ。観ているこちらの気持ちはどんどんしぼんでしまう。
ボクはもっと違う展開を期待していたのになぁ。闘う相手はあくまでも「感染者」でなければならないはずだ。

そう言いながらも、この映画は評価に値する面白さを持っていると思う。
ひょっとしたら「ブレード・ランナー」のように、後々までも語り継がれるような作品なのかもしれない(ちょっと褒めすぎかな?)。
この監督さんの次回作に期待しましょう。
まずまずのおすすめ(でも、まだ上映してるかな?)。

次回は試写会で拝見した「キル・ビル vol.1」をご紹介します。折角、一足先に観たのに、もう一般上映も始まってますね。遅くなってごめんなさい。

おしまい。