「セクレタリー」

小道具が何とも言えず「イイ」んです


  

心斎橋のシネマ・ドゥ。時々ここでしか上映がない作品の上映があるので、年に数回は足を運ぶことになる。でも、ここはおっちゃんが一人で入るにはどこか「こっぱずかしい」造りなのだ。いや、ここまでコンセプトが明確な「主張する映画館」も珍しい(いいことです)。
心斎橋へは時間が許す限りバスで行く。梅田の大阪駅前のバス乗場から出ている御堂筋を南下するなんば行きに乗る。いつの間にか御堂筋の装いもすっかり秋になってるなぁ。路上には銀杏の実が落ちている。この日は抜けるような秋の青空が広がる。こんな日には映画館ではなく野山や海を駆け巡りたいのだけど、なかなか巡り合わせがね。上手く行かないのです。

さらっと粗筋を読み、興味を持ったけど、朝一番の上映で観るような作品なのだろうか? その点がちょっと不安。
日曜なので15名ほど入っている。シネマ・ドゥにしたら多いほうだ。

自虐癖のある女性のお話し。
エッチなお話しなのか、SMチックなストーリーなのか、はたまた不器用な人間のピュアなラブストリーなのか? 結論は、それらを全て混ぜこぜにした作品。
ちょっと付いていけないような部分もあるけど、ソフトにぼかしてあり、お子様でなければ大丈夫(嫌悪感を持つ人はそう多くないと思う)。
出演者はどの人も初めて拝見する人。主人公のリーを演じるのはマギー・ギレンホール(アダプテーションにも出ていたらしい)。キャリー・フィッシャーを「若くしてマシにした」ようなお方。かわいいけど、個性的な顔立ち。
相手のエドワード・グレイ弁護士(ジェームズ・スペイダー)、ホントはヒュー・グランドに演じてもらいたかったな。リーの婚約者ピーター(ジェレミー・ディヴィス)は綺麗な顔立ちのなのにハートの弱い青年を上手く演じていた。

自虐癖が高じて施設に入院していたリーが退院したのは、姉の結婚披露宴の日。
最初は彼女の入院の原因が自虐癖だとは知らないから、ビビってしまった。沸騰したやかんをふとももに押しつけるなんて!
そんなリーがふと目にしたのが、法律事務所の秘書募集の広告。彼女はその募集に応募し、採用される。しかし、この事務所にある秘書募集の電光掲示板(?)は凄いね。普通これを見ただけで応募者はびびってしまうと思うけどなぁ。
若き有能な弁護士と、ちょっとおかしいけど見た目はスマートなリーとの間に一瞬にして燃え上がる恋の炎、と行かないところがこのお話しのミソなんでしょうね。
ちょこっとした伏線が張られ、いつの間にか、何故か二人には妖しげな関係が醸成されていく。意味不明なネズミ捕りや赤ペンなどの小道具が何とも言えず「イイ」んです。しかし、この二人っていったい...。
今まで観た映画の数だけいろん形の恋を拝見したけど、この二人のような関係は初めて。

で、この二人の恋の行方は...。

それを語るのはヤボってものでしょう。
詳細は映画を観てのお楽しみですね。

おしまい。