「アダプテーション」

判断は難しい


  

忙しい週末は有意義に過ごさなければならない。
この日も梅田に足を伸ばす。まだ「アダプテーション」の上映をやっている。良かった。

ニコラス・ケイジはなかなか芝居が出来る役者さん(いまさらボクが言うのもおかしいけどね)。
この映画の予告編を見ると、コメディものかと思っていたけれど、意外やドラマだった。でも、入り組んでいて、ちょっと一筋縄では行かないお話し。残念ながらボクは「マルコビッチの穴」を見逃している(今は無きパラダイスシネマで上映していたのになぁ)。それが悔やまれる作品と言えるでしょう。

劇中劇なのか、どこまでがドラマでどこからがノンフィクションなのか、その境目がとてもあやふや。もちろん、全てがフィクションなんだろうけどね。現在進行形や過去が奇妙に入り組んで混乱するうえに、ニコラス・ケイジは双子の役を演じていてそれもややこしい。頭がウニになる!

ニコラス・ケイジが演じるのは売れっ子の脚本家。プロデューサーから蘭について書かれた原作を脚本にする依頼を受ける。しかし、その仕事は上手く行かず、筆が進まない。すっかり行き詰まってしまう。そして、何が何だかわからないパラノイアの世界に踏み込んでしまうのだ...。
普段、脚本を意識するのは、その作品がごっつい面白いか、いっこもアカンときかのどっちか。そういう時が多いわけではないから、正直に言うと脚本を意識する方が少ない。でも、この作品を観ていると脚本家も大変な仕事なんやなぁと思い知らされる。

結局、原作の世界に足を踏み入れてしまったニコラス・ケイジはフロリダへ飛び、触れてはいけないものに触れ、入ってはいけない場所へ足を踏み入れてしまうのだ。
う〜ん。これって「禁断の手」のような気もするんだけどなぁ(まぁ、いいか)。
これでわかるのは、蘭の世界が奥深く、場合によっては富をもたらし、時として命さえも狙われるかもしれない、ということ。

この映画、面白いのか面白くないのか、判断がとっても難しい。確かに、観ている間は結構楽しめたし、時間がたつのも早かった。でも、なんだかなぁ。
この映画で一番キュートなのは、ダイナーのウエイトレスかな。ほんとのチョイ役だけどね。彼女に対するニコラス・ケイジの妄想は傑作やね!
ちょっとご紹介が遅れたので、メジャーどころでは上映は終了してしまいました。もし、興味をお持ちになったら、観ても損はしないでしょう。でも積極的にオススメってわけでもないけどね。上映最終週のせいか、お客さんは少なかったです。

おしまい。