「クジラの島の少女」

パイちゃんにクラクラ


  

昨日まで「暑い!暑い!」と汗を流していたのに、突然、向こうから秋がやって来てくれた!
いやもう、ちょっと寒いくらい。「暑さ寒さも彼岸まで」とはよく言ったもんだねぇ。
続けて観たのは、この日が初日のニュージーランドからやって来た映画「クジラの島の少女」。初日のプレゼントで鯨のラベルが貼ってある焼酎をいただきました。ありがとうございます。
初日の初回、50名ほどの入り。ここシネ・リーブル神戸はシートアレンジがいいし、適度な段差があり観易い劇場ですね。気に入っています。

ニュージーランドの原住民、マオリ族の集落。彼等は遥か太古の昔、クジラに乗ったリーダーに率いられ海の向こうからこの地にやって来た。その伝説とマオリ族の伝統を守ってこの村の人々は生きてきた。緩やかな近代化を受け入れ、生活様式は変化しているが人々の心にはマオリ族の誇りが宿っていた...、はずだったが時代は彼らを放っておいてはくれない。
族長の家系を守る家では、孫の誕生を楽しみにしている男がいた。彼こそ、現在のここのマオリ族の族長で、生まれてくる孫息子こそ、伝説のパイケアに違いないと信じていた。

しかし、結果は違った。
母親と双子の男の子の命と引き換えに生まれてきたのは、女の子。
族長は落胆する。

予告編や事前に持っていたイメージとはちょっと違う。もう少しファンタジー色が強いストーリーだと思っていたのに、どちらかというとシリアスなヒューマンドラマ。
現代風の考え方をする若者と、何としてもマオリ族の誇りや結束を守りたい老人との対立がメインの構図。そこに純真な優しい心を持った少女パイの気持ちがかぶさってお話しは進んで行く。
悪いストーリーではないけれど、最後の最後に「イルカに乗った少年」みたいに流れて行くことにちょっと付いて行けなかった。この部分を素直に受け入れられる人にとっては素晴らしい作品だったのでしょうが、ボクにはちょっとなぁ。場内にはすすり上げる音があちこちから聞こえて来たけど...。

結局、何が変わったの? おじいさんは男尊女卑の風潮を改めたのか? ボクはきっとそんなことはないと思う。自分の孫娘こそパイケアの生まれ変わりだと認めたとは思うけど、それだけだ。しかも、掌を返したような扱いには「?」が点滅した。
それよりも、パイケアの生まれ変わりを見つけることが出来てホッとしただけ。それだけのような気がした。
ボクの心が錆付いているせいか、感動も感心もできなかったのは残念。

ところで、ボクはロリコンになってしまったのだろうか?
つい最近「名もなきアフリカの地で」のレギーナちゃんにくらっとしたかと思うと、今回もパイちゃん(ケイシャ・キャッスル=ヒューズ)にクラクラ来てしまった。さすが、大勢の中からオーディションで選ばれただけはある。
無垢で純真、祖父思いの孫を好演していました。でも今後、彼女の姿を目にすることはあるのかな?
それと、おじいさん、ほんとうにマオリ族出身の方だそうですが、ゴマ塩の坊主頭のせいもあるけど、そのまま日本人かと思った!

受け取る人の心によって賛否が別れる作品なのかもしれません。
パイちゃんはかわいいので、ご自分の評価を確かめるために、お時間があれば一度劇場に足をお運びになるのもいいかもしれません。
梅田ではシネ・リーブル梅田で上映しています。

おしまい。