「運転手の恋」

お気楽な台湾コメディ


  

「たそがれ清兵衛」で今までとはがらっと変わった姿を見せてくれた宮沢りえ。
今回ご紹介するのは彼女が出ている台湾の映画。彼女は「遊園驚夢 華の愛」という香港の作品にも出ているけど、製作はこの「運転手の恋」が先かな?
全編普通話で作られていて、宮沢りえのセリフは全て吹替え。そりゃそうだ。でも、不思議とそんなに違和感なかったなぁ。

この映画そのものの出来は、はっきり言ってたいしたことない。彼女が出ていなければきっと日本で公開されることも無かったでしょう。もう少し上手く作ればそこそこ面白かったのにな。
主人公の男性は、台湾では有名な方なのかな? この人がどうも冴えない。これが致命的なような気がする。彼の型破りな恋の表現方法には笑わせてもらったけど、冷静に考えたらストーカーよりたちが悪いで。それも、家族や職場ぐるみやもんなぁ。彼の両親はなかなかいい味出していてます。

タクシー会社の社長の息子が主人公。なぜか恋愛に興味を持っていない。父親から与えられたクルマ(タクシー・ホンダのシビック)を弟のようにかわいがっている。
ところがある日、交通違反をして切符を切られる。その交通係の婦警さん(宮沢りえ)に一目惚れしてしまう。彼女の勤務時間を調べて、猛烈にアタック! このアタックの方法がまた変わっている。そこまでやるか普通。
台湾の免許のシステムは知らないけど、日本ならもう二度とハンドルを握れないやろなぁ。タクシーの乗務員だからこの恋は失業もの。

映画の1/3はこの恋のお話しで、その他は彼や彼の家族のお話しになっている。そちらの部分もけっこう面白いので、そこそこは楽しめますよ。でも、せっかく宮沢りえが出ているのだから、もう少し彼女の出番を多くしても良かったような気もします。
この映画を観ていると台北に行きたくなりました。あぁ、美味しいもの食べて、美味しいお茶を飲みたいよ! 宝くじでも当たらないかなぁ...。
まぁ、気楽に楽しめる作品。ビデオを借りてきたり、深夜放送でご覧になるのもいいでしょう。
台湾の作品では、もう随分前から予告編だけは流れている「藍色夏恋」が10月に入ってからようやく三番街シネマで公開されます。この作品は楽しみです! でも意外とこの手の映画って短命で終わることが多いので、見逃さないように気をつけないとね。

この日の七藝は七名という淋しさでした。大丈夫かなぁ...。
次回は、日を改めてお邪魔した七藝で観た、ポール・ベターニ主演の「デッドベイビーズ」をご紹介いたします。

おしまい。