「デス・フロント」

まぁ、まぁ...


  

ミナミの千日前にある千日会館。なかなか独特の味がある映画館。クラシカルなテーストを残し、最近のシネコンとはある意味対極に位置すると言ってもいいでしょう。
マクドの地下にある。これがもう、マクドの地下にあるとしか形容できない立地なのにも驚かされる。ちなみに千日会館のチケットの半券を持っていくと、上のマクドでコーラかポテトが貰えるそうです。

ここで観たのは「デス・フロント」という作品。何ともまぁ、へんてこりんで中途半端な映画で、「リトル・ダンサー」に出ていたジェイミー・ベルが主演している以外には、何の魅力もない(ここまで言い切って良いのかは若干の疑問もあるけど)。

時は、第一次世界大戦末期。場所は西部戦線の真っ只中。
ドイツ軍と対峙する英国の舞台が突撃を開始する。激しい抵抗に遭いその中隊は数人を残して引くも進むも出来ない状態に陥る。しかし、霧にまぎれてどうやら戦闘地帯からは抜け出ることが出来たようだ。
現在地もわからないまま進むと、数人のドイツ兵が守るだけの塹壕を発見し、そこを占拠することに成功するのだが...。

このお話って、戦争もののようだし、ミステリーのようだし、ホラーのようで、スプラッター気味のような部分もあったり。とにかく、いろいろ盛りだくさん。
でも、結局その盛りだくさんさが「面白さ」にいっこも結びついていないとこが「凄い!」。全てが中途半端で、観終わってスッキリするどころか「この映画、一体何やってんろ?」ってアタマを抱えんとあかんところが「凄い!」。謎が解き明かされないまま放置され、消化不良を起こす。
でも、正直に言うと、それ以前に「何が何だかようわからん」。だから、あんまり欲求不満ってこともないのも確かです。

それに、ほとんどのシーンが塹壕の中か、霧の中か、雨の中。画面も暗くて、じめじめしているし、ストーリーも当然のことながら暗い。
ジェイミー・ベルがどんな風に大きくなったんかな、って確かめたい以外には、ほんまに見所がない。特に今回はステップを踏んでくれるわけでもないしね。

お暇なら引きとめはしませんが、わざわざ観る価値もないような気がします。 休日の初回でしたが、お客さんはボクを含めて5名。しかも、上映開始早々になぜか場内の照明が再び明るくなり、画面がかなり見にくくなるというハプニング付きの上映でした。
まぁ、こんな映画に当たるときもあるわな。

おしまい。