「シカゴ」

観なきゃソンソン!


  

今年のアカデミー賞・作品賞を取った映画。公開から随分過ぎたけどようやく観てきました。
観たのは東広島市にあるシネコン「T・ジョイ東広島」。この日は愛するサンフレを今シーズン初めて応援するためにビッグアーチに向かった。家を出る予定を早めて、朝一番の上映に間に合うようにしたのだ。昔ならいざ知らず、今はwebで何でも調べられて便利になりました。
土曜の午前中のせいなのか、それとも毎度のことなのかはわからないけれど、お客さんは10名ちょっと。少し淋しかったですね。でも、まぁこんなものかな。

久々に何も考えずに楽しい映画を観せてもらった(サンフレも勝ったしね)。 難しい理屈なんか関係ない。ただ観ていて楽しい。そんな作品です。
まだご覧になっていない方にはオススメ。そろそろ上映も終わりそうだしね。

今回、リチャード・ギアは見直したなぁ。遥か以前は違ったけれど、ここ数年の彼のことを「メロドラマの帝王」とボクは陰口を叩いていた。でも「シカゴ」ではちょっと違う。路線はこれまでの作品と似ているけれど、彼にも踊ったり唄ったりギャグを飛ばしたり...、(上手だとは言わないけれど)こんなことも出来るんだ! ちょっとびっくりしました。
彼に対峙するヒロインは、お気に入りのレニー・ゼルウィガーとキャサリン・ゼタ=ジョーンズ。ちょっとぽっちゃりしてかわいいレニー・ゼルウィガーは今回も無難にロキシー役をこなしている。彼女のちょっと舌足らずの喋り方がいいなぁ。唄が上手いわけでもダンスがいいわけでもないけれど、何故か不思議と男心をくすぐるものを持っている。

舞台はシカゴ。移り気な都会人の性格を面白おかしく皮肉ったミュージカル・コメディ。
いつかステージに立つことを夢見ているロキシー(レニー・ゼルウィガー)は、浮気相手の家具のセールスマンに騙されているとも知らずに逢瀬を繰り返している。この男がステージのマネージャーに自分を紹介してくれていると信じていたんだ。
そして数カ月、男はそろそろ潮時だと思い、彼女から手を切ろうと思うようになる。別れ話を切り出して、マネジャーと知り合いなんて真っ赤な嘘さと開き直って部屋を出て行こうととした男に、ロキシーは拳銃の引鉄を引く!
ロキシーは旦那を裏切っただけではなく、自らも「殺人者」という犯罪者のレッテルを貼って、イリノイ州の監獄へ収監されてしまう。この監獄でロキシーを待っていた光景は...。

重苦しくなっても不思議じゃない浮気・不倫、我儘・勝手、開き直り、殺人と監獄というテーマなのに、なんてことだろう、この映画に重苦しさなんて微塵もない。反省や懺悔の気持ちもちっともない。
普通、ここまでやると観ているこちらが、ロキシーに反感を抱いても不思議じゃないのに、そんなことはほんの少ししか思わない。ロキシーが絞首刑必至のこのピンチをどう切り抜けるのか。興味深く、面白おかしく、時には彼女に肩入れしてまで観入ってしまうから不思議! なんでかなぁ?

ロキシーの周囲に登場する人物。だれもが魅力的な一癖も二癖もあるキャラクター。
監獄の先輩で元ステージスターのキャサリン・ゼタ=ジョーンズ、女看守(牢名主?)のママ、人情味は薄いけどお金には滅法弱い切れ者弁護士。ほんま上手い具合に彩られている。

観なきゃソンソン! ウワサに違わぬ面白さ。今年観た映画の中でも屈指の面白さでしょう。最後のオチも利いています。
そこそこの人気のようですから、もうしばらく上映されているでしょう。お時間があれば(無くても是非)ご覧下さい! 梅田では、泉の広場上がるの梅田ピカデリー、ブルク7での上映は一旦終了しましたが、6月に入ってからもう一度ここのスクリーンにかかるとのことです。

おしまい。