「バティニョールおじさん」 |
ほんとうはいいおじさん |
テアトル梅田は感じのいい映画館。従業員の皆さんも気持ちがいいし、この日のお客さんも皆さん映画を観慣れた人ばかり(若干一名ヘンな人もいたが)で、とても良い環境で映画を楽しむことが出来ました! 嬉しかった!
さて「バティニョールおじさん」。
この映画は冒頭がいきなりショッキング。そして、このバティニョールおじさんがいい人なのか良くない人なのか、最初は判断がつきかねる。
当時パリはナチスドイツの占領下にあった。生きていく上で、商売を営む上で、ナチス側に付いた方が都合が良いのに決まっている。しかし、おじさんはそんな近視眼的な目で世間を見ていない。反骨心もあっただろう、それに心のどこかにナチスの天下がいつまでも続く訳が無いという思いもあったはずだ。
ナチスとは距離を置いて生活したいと思っているのに、なかなかそれは許されない。日和見主義のおバカな将来の婿殿に気を遣い、様々なプレッシャーに身を晒しつつもそれをのらりくらりとかわしながら生活している。この将来の婿度を含めて、おじさんの家族はなかなか面白い、娘さんはちょっと何を考えているのかよくわからないけどね。 おじさんの相棒役の子供が、もう何とも言えない。時には淋しくはかなくてあわれで切なげ、しかし時には口ばっかり達者な憎たらしいガキ。でも、とっても賢くて頭の回転がいい子なんだ。この子がとってもいいアクセントになっている。ボクがおじさんなら、すぐさま切れてしまって、もう相手にしてないやろな、きっと。
しかし、なんの縁もゆかりもないこの少年たちを、命がけで守りスイス国境まで送り届けるこのおじさんに拍手を送りたくなるのはボクだけではないと思います。 残念ながら「バティニョールおじさん」の上映は3/7で終了してしまいました(紹介が遅れてごめんなさい)。どこかでリバイバル上映されるのを待つか、そう遠くないうちに発売されるであろうDVDかビデオでご覧ください。 おしまい。 |