「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」

アディダス、ラコステそしてフィラの三兄弟


  

この秋は三連休が4度もあって、いい感じです。
3度目の三連休の最終日に観てきたのがこの映画。とにかくよく予告編を流していて、ジーン・ハックマンの老けた顔とミセス・ロビンソンが頭から離れない。映画館も相当力を入れている様子。会場は梅田ガーデンシネマ。だいたい半分ほどの入りかな。

正直言ってよくわからない映画だった。
ひょっとして、この「よくわからなさ」がこの映画のいいところなのかもしれないね。

具体的には明示されないが、かなりのやんちゃモノのロイヤル・テネンバウムズ(決して、王族ではないようだ、ジーン・ハックマン)は家族と別居してホテル暮らし。しかし、とうとう破産してしまい、永年住みなれたホテルを追い出されてしまう。
そんな時に、家で留守を守るインド人の召使から「奥さんが求婚されている」と連絡が入る。
ロイヤルは居ても立ってもおられず、求婚を阻止すべく20数年振りに我が家へ戻るのだ。

このテネンバウムズ一家が、まぁ一筋縄では行かない豪傑揃いなのだ。
いずれも幼少のみぎりから才能を発揮し、長男は不動産と株の取引、そして発明で名を成し、今や億万長者。次男はプロのテニスプレイヤーでアメリカ国内の大会を三連覇している。長女は劇作家として成功して戯曲界の兆児として活躍していた。
しかし、いずれも過去のお話しだ。長男は昨年の飛行機事故で最愛の夫人を亡くし、遺児とともに隠遁生活同様の日々を送っているし、次男はスランプに陥り船に乗りこみ放浪生活だ。長女は結婚したものの毎日風呂場に6時間も引きこもってしまう生活だ。

そんな彼らに知らせが届く。父親は余命いくばくもない。昔のように一家で暮らしたがっている、と。

結局、この映画は「家族の愛」がテーマなんだな。
でも、現代人は家族への愛をストレートに表現するには、世の中がこんがらがりすぎている。素直ではなく、どこか斜に構えたり、見栄を張ったり、過去のいきさつが邪魔をしたり...。一言口にすれば済むことを、その一言がなかなか言えなくてね。

そんなことを考えていたら、あっと言う間に映画が終わってしまいました。

長男のチャスにベン・ステイラー、長女の旦那はビル・マーレー、近所の幼馴染にオーウェン・ウィルソンとボクが知っているだけでもなかなかの豪華キャスト。
観る価値があるかどうかは、評価が別れるところですね。おひまならご自身でお確かめ下さい。

おしまい。