「イノセント・ボーイズ」

ちょっとできそこないの青春映画


  

さすがに秋になると湿気が少ない気持ちよい青空が広がるようになりました。雲も高いよ。こんな日には街での仕事は切り上げて、山に出かけたくなりますね。
10月に入って夜になると空気も冷たくなってきましたね。そろそろキンモクセイが香りだす頃です。
また巡ってきた「映画の日」(大阪では原則として第1水曜日)。料金が1,000円均一。

足を運んだのはOS劇場、映画は「イノセント・ボーイズ」。
ジョディ・フォスターがプロデュースした青春映画ですね。原作はこの小説「放課後のギャング団」だけを世に送り急逝したクリス・ファーマン。ジョディ・フォスターが原作に惚れて映画化したそうです。
ストーリーそのものは正直言って、よくわからない。並行して走るサイド・ストーリーはテーマが重いし、この映画自体も悲しい結末を迎えてしまうのだ。 青春は確かに何事も思い通りには行かないものだけど(それは何も青春だけじゃないけど)、もう少し明るく描いても良かったのではないでしょうか?

キリスト教系の高校(中学?)へ通う悪ガキ4人が主人公だ。
放課後、道端にたむろしては、前日の晩にせっせと書いた自作のコミックを見せ合いしては夢を膨らませている。していることはどっちかと言うとオタク系だけど、見た目は遊び盛りのごく普通の高校生。数学のシスター(ジョディ・フォスター)には目を付けられている。
そんなある日、4人はそれぞれが自分はどんなコミック・ヒーローになるのか話し合っている。

そんな中フランシスは同級生の妹マージ(先日観た「ドニー・ダーゴに転校生役で出ていたジェナ・マローンですね)に恋をする、この二人の仲を取り持とうとティムは勝手にラブレターを代筆してマージへ送る。返事はOKだ。急速に接近するフランシスとマージ。

コミック・ヒーローがヒーローたる所以は悪役を倒すことだ。フランシスはこの悪役にシスターを起用することに決めた。日常生活を送りながらも、時折フランシスの頭の中はこの我等がコミック・ヒーローが活躍するアニメのことで一杯になってしまう。
そして、とうとうシスターを困らせるためにあることを実行してしまうのだ...。

ダークサイドの青春を描いた映画には、最近観た「穴」があるけど、それよりはずっと子供っぽいし、内容もちょっと質が違う。
この「イノセント・ボーイズ」はなんか捕らえどころがなくて、救いもない。正直言ってもう少し頑張って欲しかった。
エンディングとフランシスとマージの関係をすっきりさせるだけで、随分印象が変わってくると思うんですけどね。

走っているクルマから、恐らく時代設定は1960〜70年代だと思う。その当時のアメリカでの家族の暮らしが垣間見られるのは面白かった(リビングのソファに一家で腰を掛けてテレビを眺めている風景やマージの部屋の様子なんかがね)。

OS劇場での上映は終了しました。ビデオかDVDででもご覧ください。
ちょっと気になったので、原作の小説を読んでいます。はっきり言って、小説の方がずっと面白い!
この日流れた予告編では「セレンデピティ」が面白そう。ボクはこの手のストーリーに弱いのです! 楽しみです!

おしまい。