「阿弥陀堂だより」

日本の原風景がひろがる


  

いよいよ10月。今年もあとたった3カ月しかない。ほんまに早いなぁ。
10月に入ったとたんに駆け足で大型台風が駆け抜けて行きました。関西では雨が降っただけでしたが、東京とか台風の進路に当たったところは大丈夫だったのでしょうか?
タマちゃんもこの直撃台風に驚いて逃げ出してしまったかな?

さて、10月1日にプレ・オープンしたのがJR伊丹駅の東側に新しく出来た「ダイヤモンドシティ伊丹テラス」という巨大なショッピングセンター(核テナントはジャスコ、なんと10/10のグランド・オープン以降は24時間営業するそうです!)。
今までここに何があったんだろう? JR伊丹には何年かに一度運転免許の更新の時に来るだけだからなぁ。今まで地味だったJR伊丹が華麗に変身ですね。もっともこんなところにこんな巨大なものを作って大丈夫なのかとちょっと心配になります。「つかしん」だって華々しくデビューしたけどなぁ...(最近リニューアルしたそうですけど)。
で、このダイヤモンドシティ伊丹テラスの南側の4階部分に8つのスクリーンを持つシネコン「伊丹TOHOプレックス」が9/30にオープンしました。そのオープン記念試写会にのこのこと出かけて行きました。

寺尾聰も年がいったねぇ。ますますお父さんの宇野重吉に似てきました。

この映画のストーリーは特に意味はないのだと思う。
だって、美しく綺麗に「日本の原風景」をフイルムに焼き付けておくことが狙いのように思えて仕方ない。山深い信州の田舎に展開される四季折々の田舎の風景に懐かしさを感じない人はいないんとちゃうかな。
そこにこじつけのような(?)、淡々とした夢のようなストーリーが乗っかっているだけだ。

でも、映画を観ているこちらとしては、ついつい物語りの展開にも気を惹かれてしまう。
いいなぁ、ボクも仕事をほっぽりだして田舎で隠遁生活を送ってみたい。この映画で描かれている孝夫(寺尾聰)は絵に描いたような「花見百姓」で、悩みも何にもない(それ以前に、彼の内面は一切省略されて描かれていない)。そんな仙人のような生活だ。
ボクも丹後の田舎でこんな生活もいいかも!

樋口可南子演じる女医の奥さんや田村高廣と香川京子夫妻や声を無くした小百合さんにはさして興味を憶えなかった。一番輝いていたのは、演技だったのかそれとも地だったのかよくわからなかったけれど阿弥陀堂を守る老婆を演じた北林谷栄であったのは間違いないですね。

とは言え、この映画で切り取られている美しさは、間違いなく都会で生活している人間の目で捕らえた美しさだ。その美しさを取るのか、それとも都会の生活で享受している便利さや刺激を取るのか、その判断は難しい。
そんなことを思いながら真新しい映画館とショッピングセンターを後にしました。

おしまい。