「ドニー・ダーゴ」

“メメント”と並ぶ衝撃!


  

この日はシネフェスタでハシゴする予定だったので、最初に「ズーランダー」と「ドニー・ダーゴ」のチケットを購入しておいた。
「ドニー・ダーゴ」はこの日が初日。先着○○名様に「運命を変えるウサギ」がプレゼントされることになっていたらしく、そのウサギを有り難く頂戴しました。ありがとうございます!

「ズーランダー」は広い劇場にたったの7名と、いつものシネフェスタだったけど、この映画を観終わってロビーに出て驚いた! 「まさかこの行列はドニー・ダーゴの入場待ちの列ちゃうやろな...」とつぶやくが、そのまさかだ。ざっと120人ほど並んでいる! ビックリしたなぁ。
この「ドニー・ダーゴ」、何かの時に予告編を見てちょっと気になっていた。でも、宣伝していたワケでもないし、有名な監督や俳優でもない。どちらかと言うとマイナーな作品だと思っていただけに、この行列には「驚き」を通り越してちょっと呆れてしまった。ボクが思っていたのとは違う映画なんだろうか?
いい席はムリでもどこかには座れるだろうと思い、行列には並ばずロビーのベンチに腰掛け、前もって1階のコンビニで買っていた弁当を広げて腹ごしらえだ(実際はそこそこの席が確保できました)。結局、150名ちょっと入れる一番手前の劇場は前までびっちりと席が埋まり、予備のパイプ椅子が出て、さらにさっきボクが弁当を食べたベンチが入り、その上に立ち見もでる大盛況。 シネフェスタもヤル時にはヤルんやなぁ! パチパチ!

で、映画はこの大動員に応えられる作品だったかと言うと、その通り!
ちょっと難解なストーリーなんだけど「もう一度観たい」と思わせる作品なのです。オ・ス・ス・メ!

ドニー・ダーゴっていう映画のタイトルは、この映画の主人公である高校生の名前。彼の不思議な体験を軸に約1カ月の出来事がこの映画に収められている。
ドニーは過去に放火で逮捕歴があり、今も精神科の治療を受けている。ただ、外見は普通の高校生と全く変わらない。
その朝、ドニーは目覚める。周りを見回すとそこは自室のベッドではなく、山の中腹にある道路の脇だった。彼には夢遊病(?)の気があるのか?
そして、その晩、ドニーは銀色のウサギの着ぐるみを着た男に誘われるように外に出かける。ドニーはこのウサギから「世界の終わりまで、あと28日と6時間と42分と12秒だ」と告げられる。ドニーは翌朝気が付くとゴルフ場のグリーンの上だった。
ドニーが外出している間に、ドニーの家、それも彼の部屋を直撃するように上空からジェット旅客機のエンジンが落ちて来る!

ウサギの誘いのお陰でドニーは難から逃れられたのか?
本当にウサギの予言通り、世界の終わりがやって来るのか?
ドニーは自分の腕に「28:06:42:12」とサインペンで書かれているのに気が付く。

おどろおどろしいSFホラー映画なのか? そして青春映画なのか?
正直言って、全然展開が読めないまま物語は進行していく。こっちのアタマの中には何個もの「?」が点滅し続けている。

学校の水道管が破壊され休校になる事件、謎を秘めた美しい女子転校生とのロマンス、自己啓発の指導者に心酔している女性教師との確執、謎のオババの存在、タイムトラベル?、自己啓発指導者への放火事件、そして指導者の逮捕、解雇された教師が残した「地下室の扉」という言葉、グレッチェンとの経験...。
とにかく、次から次へと脈絡もなくいろんな出来事が続発する。
これらは「?」を解くヒントなのか? それとも...。
謎が謎を呼び、アタマの中はパニックになる。

「一つの箱の中に、あらゆる要素を詰め込めるだ目一杯詰め込んで、その箱を開けてみると、びっくり箱のようにいろんなものがいっぺんに飛び出してきた」そんな映画が、この「ドニー・ダーゴ」なのです。
そして、その箱の底には答えが書いてあるのか?

映画が終わって暫くはボー然自失。
もう一度、最初からこの映画を観てみたい!

おしまい。