「チョコレート」

皆さんの評価はどうですか?


  

昨日も今日も大阪の最高気温は36度だとか。また灼熱の熱帯が戻ってきた。

先週末に関西での公開が始まり、連日立ち見の盛況だという「チョコレート」を観てきました。
劇場はシネ・リーブル梅田。月曜の夕方だから大丈夫だとは思ったんだけど電話で状況を聞いてみると「お立ち見になるかもしれません」とのこと。覚悟して出かける。窓口でもらった整理番号は31番でちょっと拍子抜け。上映前にざっと見渡すと7分ほどの入りでした。

この作品の評価は難しい。

主演はこの作品でオスカーを射止めたハル・ベリーとビリー・ボブ・ソーントン(バーバーでも主演していたサンダーバードのおっさん)。
静かな作品。過剰な演出を排して、淡々と抑制が効いた画面が進行していく。派手な音楽も効果音もない。その分観ているこちらの胸に入り込んでくるものがある。しかし、なんだか物足りなくも感じるのも確かだ。ボクは予告編の方が良かった。
予告編にあったハンクがダイナーのカウンターに腰掛け、注文を取りにきたウエイトレスのレティシアにチョコレートアイスクリームと言い、彼女が微笑むシーンがお気に入りなんだけどな。

感情の波や起伏が、台詞やアクションではなく表情や目の動きで示される。ひどく繊細な映画なのだ。これはいつもサービス過剰なアメリカ映画が多い中では異質(ある意味、不親切)。その結果として少しわかりにくい映画になっているのだ。
現実では有り得ないような絡み合った人間関係(看守と死刑が実行された死刑囚の妻)が生かされているように思えない。またハンクが心の中に持っている、父親・息子に持っている葛藤があっさりしすぎている。レティシアもそんなにあっさりハンクに身も心も投げ出していいのか? もっとざらざらとしてどろどろとした心の内を映画の中でさらけ出して欲しかった。もっと怒鳴りあい、いがみ合って不思議じゃないのにな。

観終わってから、コンビに寄って少し高めの(250円くらいの)紙のカップに入ったチョコレート味のアイスクリームをプラスチックのスプーンを使って、しみじみと食べたくなるのは「当然」でしょう。

ボクの評価は「...」ですが、皆さんはいかがですか? ぜひ、劇場でお確かめ下さい。
ミナミでは敷島シネポップ、神戸はアサヒシネマ、京都は弥生座(8/31から)でもうしばらく上映しているハズです。

おしまい。