「アバウト・ア・ボーイ」

30代独身貴族男性の日記


  

先週は秋の気配が濃厚に漂っていたけれど、また真夏が戻ってきた(もう高校野球は終わってしまったのに)。不思議なもので嫌なものでも去っていくと淋しさを感じてしまう(こうやって戻ってきたらやっぱり嫌だけどね)。

そんな秋の気配が漂っていた先週のある夕方、観てきたのは「アバウト・ア・ボーイ」というイギリスの映画。一般公開は9月の中旬ですが、運良く試写会を拝見しました。
この映画は昨年公開された「ブリジット・ジョーンズの日記」のスタッフが作ったという触れ込みだが、そんなに似ているわけでもない。ボクとしては「ブリジット〜」の方が面白かった。
主演は「ブリジット〜」にも出ていたヒュー・グラント。30過ぎの独身で彼の独白が入るあたりは「ブリジット〜」と一緒だけど、決定的な違いはウィルは親の遺産に恵まれてリッチな生活を謳歌していることだろう。

ふつう、女が男と出会って「いいな」と思えば、この男がどんな仕事をしているか気になるよね。そして男に「仕事はなに?」と質問するのは当然だ。「何も」って答えを聞く時の女性の表情がいいね。
ウィルは無職なのが後ろめたくもあり、誇りでもある。ボクも彼のように働く必要がない身分になってみたいよ。
ウィルはほんとに優雅な独身貴族だ。働かなくていいからあせくせしていないし、何事にも(特に女性関係には)ドライだ。必死なところは全くなくて、深入りせずにさらっと身をかわすだけだ。だから、この映画を観ていても容易にはウィルに共感できない(当たり前だ!)。こっちはその日の生活のために爪に火をともしていると言うのに(そんなことないか)。ブリジットが等身大の独身女性を表現して共感を呼んだのとは全く逆ですね。

そんなウィルがあるきっかけで12才の男の子マーカスと知り合いになる。30過ぎのウィルとマーカス少年を時には反発させ、そして時には共闘させてお話しは進んでいく。毒にも薬にもならないお話しなんだけどね。

ヒュー・グラントのキャラクターだけでどこまでお客さんを呼ぶことができるかな? マーカスを演じるニコラス・ホルトという子役はなかなか良いですよ。しかし、彼の家庭もどうやって生活しているのかよくわからんなぁ。
ボクとしては「ブリジット〜」の出来そこないないの二番煎じという気がしないでもなかったけどね。

おしまい。