「穴」

ダークサイドの青春物語


  

昨年の今ごろ公開された「ゴースト・ワールド」はなかなか面白かった。この映画に主演していた女の子二人。その一人ソーラ・バーチが主演しているのが今回ご紹介する「穴」。もう一人のスカーレット・ヨハンソンは「バーバー」に出てましたね。
「月のひつじ」に続いてガーデンで観てきました。この回が初日の初回。ロビーで待っていたのは30人ほどだったけど、結局ほぼ満席になりました。すごいねぇ。驚きました。

満席のお客さんのうち、果たして何人の人がこの映画を観終わって満足したのでしょうか?
ちょっとクセがあるストーリーで、ちょっと共感しにくい。

思い込みが激しい少女が、友人の手引きを得て、憧れの同級生と地下室(?)で数日を過ごすことになる。この彼女の思い込みが、とてつもない悲劇を巻き起こすのだ。
彼女の回想でこの映画は進んでいく。彼女は被害者なのか、それとも加害者なのか?

この映画の見どころは、青春時代特有の飾らない実直さ。悪く言えば「残酷さ」だ。地下室で過ごすのは男女二人ずつの4人。だけど、リズ(ソーラ・バーチ)は他の3人から全く相手にされないのだ。それどころか存在そのものを無視されてしまう。これってキツイよね。
ソーラ・バーチもぶさいくな女優さんではないけど、もう一人の女の子フランキー(キーラ・ナイトレイ)がちょっとかわいすぎるのだ。この人、きっと女優としては大成しないと思うけど、確かにかわいい。いい感じです。
この残酷さが憎悪の炎を燃え上がらせたわけではないんだけど、地下室から外に出る日が延びたのは間違いないね。

眩しい青春物語も確かにある。でも、この映画の世界のように、ダークサイドの青春が存在するのも確かだ。じめっとした青春映画を観たい人にはオススメだけど、そうじゃない人にはちょっとツライ映画かもしれませんね。

ソーラ・バーチの次回作にはもっと明るい役を期待したいですね。
次は、ようやく観てきた「ピンポン」をご案内します。

おしまい。