「トータル・フィアーズ」

これはエンターテイメントなのか、それともすぐそこにある危機なのか?


  

猛暑というか酷暑が続いています。みんさん熱中症などにかかっていませんか?
それにしてもほんまに暑いですね。
今回ご紹介するのは、来週末から公開される「トータル・フィアーズ」というアメリカ映画です。一足お先に試写会で拝見してきました。会場は中之島にあるリサイタルホール。このホールへ来るのはほんとに久し振りです。

CIAの情報分析官ジャック・ライアン(ベン・アフレック)が主人公の破天荒なSFアクション大作ですね。原作はトム・クランシーの小説だそうです。過去にトム・クランシー原作でジャック・ライアンが主人公の小説が『レッド・オクトーバーを追え!』、『パトリオット・ゲーム』と『今そこにある危機』と映画化されているそうですが、これらはどれも未見なので比較はできません。

この映画はエンターテイメントなのか、それともすぐそこにある危機なのか?

ソ連が崩壊して東西の冷戦は一応終わりを告げた。しかし、米ソ両国とも今なお相当数の核兵器を保有している。これは「やられたらやり返す、やり返されるからやらない」という核抑止論がまだ効力を持っているからに他ならないからだと思う。その、考え方の裏を突いたのが、第三勢力のナショナリズムの権化、ヨーロッパの国粋主義者たちだ。
今から30年ほど前の第四次中東戦争中に行方不明になった原子力爆弾が砂漠の中から発見される(イスラエルは攻撃機に原爆を装備して発進させるほど「軽率」な国だったのか!)。この原爆を使って、米ソ両国を破滅に追いやり、その間隙を縫って第三勢力が世界の覇権を握ろうという青写真だ。

そこへ登場するのがジャック・ライアン。
この人の活躍はまぁいいとして。何と言っても凄いのがアメリカ本土に持ち込まれた原爆がスーパーボール試合中のスタジアムで爆発してしまうことだろう。
用意周到。次々と張り巡らせてある作戦が実行され、アメリカはこの原爆がロシアからの攻撃に違いないと判断する。ロシア側は身に覚えのないこととは言え、着々と進むアメリカ側の攻撃態勢に対抗手段を取らざるを得ない。
そして、とうとう米ロ両国の大統領は核発射ボタンに手をかけるのだ!

ストーリー展開は、非常にスピーティで、息をつくひまさえない。手に汗握って、ハラハラドキドキ。いやぁ、良く出来た作品になっています。
でも、これって映画や小説の世界だけのお話しなの? ひょっとしたら、明日にでもこの映画と同じことが実際に起きたとしても不思議ではないような...。

CIA長官役に最近売れっ子のモーガン・フリーマン。今回はちょっと軽い役だけど、相変わらずそつなく好演しています。
梅田地区ではナビオで8/10から公開されるようです。お楽しみに!

おしまい。