「タイムマシン」

ボクにも何でも教えてくれるガラス板が欲しい


  

さて、今回ご紹介するのはこの暑さを吹っ飛ばす(?)痛快SF大作「タイムマシン」。いやいや残念ながら「吹き飛ばす」までは行かなかったけど、なかなか面白い映画でした。
公開1週目の平日、しかもレイトショーで観てきました。梅田のブルク7は21:00以降に上映する作品は深夜割引で1,200円とお得な設定になっています。そのせいか場内は8割ほどの入り。やっぱり若いアベックの方が多かったですね。

前半と後半がガラっと変わってしまう。
最初は19世紀後半のニューヨークが舞台。雪が積もり凍てつくような寒い晩、若き助教授アレクサンダー・ハーデゲン(ガイ・ピアース)は恋人エマ(シエナ・ギロリー)にプロポーズをした直後、公園で賊に遭遇して彼女を拳銃で撃ち殺されてしまう。このショックで、もともと内向的だったアレクサンダーは一層家に閉じこもりがちになり、一歩も外に出ないばかりか世間とのつながりを断ってしまう。
そして、4年の月日が流れた。アレクサンダーの唯一の友人が心配して彼を訪ねてくる。この友人にアレクサンダーは「一週間後に会おう」とだけ話して追い返す。
実はアレクサンダーはエマを救うためにタイムマシンの製作に没頭していて、完成までもう一歩というところまで漕ぎ着けていたのだ。
いよいよタイムマシンが完成。アレクサンダーはマシンのスイッチを入れ、4年前のあの日へ時空を戻っていく。そして、彼はプロポーズする前のエマに会うことに成功する。
しかし、過去から戻ってきたアレクサンダーはエマの命を救うことは出来なかったのだ。「どうしたら過去を変えることができるのか!」アレクサンダーは悩むのだ。
ここまでは、スピーディーに展開して非常に見ごたえがある。「タイムマシンがこんな機械で大丈夫なの?」って心配しないでもないけどね。

が、過去を変えられないと気が付いた主人公が時代をどんどん遡りはじめてから、物語りは一転して平板になってくる。確かに、近未来のあたりまでは面白かったのだけど...。アレクサンダーが80万年前の地球にたどり着くと...。いくつものクエスチョンが頭の中で点燈し始めて、お話しはどんどん収拾がつかなくなっていく。下手したら安っぽいSFホラー映画だよ! でも、ここから先は映画を観てのお楽しみ!

19世紀末のニューヨークの情景はとても良く再現されているし、タイムマシンから見える外に広がる時代の移り変わっていく様子はほんとに目を見張ってしまいます。
タイムマシンに興味が無くてもあっても、充分に楽しめる娯楽大作になっていますょ。
ひとつだけ注文を付けるとしたら、どんなことをしてもエマを救えないとわかったアレクサンダーの苦悩をもう少し描いてほしかったな。
ボクはエマを演じたシエナ・ギロリーという役者さんが気に入りました。主演のガイ・ピアースは「メメント」にも出ていましたね。こんなメジャー作品にも出るんだ!

もう暫くはブルク7で上映していると思います。お時間がある方はどうぞ。

おしまい。