「がんばれ、リアム」

これじゃぁ、頑張れないよ


  

ワールドカップが真っ盛りだ。
でも、残念なことにボクのワールドカップはサンフレの久保が土壇場でメンバーから漏れてしまったことで、もう既に終わっている。なんか自分の中でも盛り上がってこうへんねんなぁ。きっと、決勝トーナメントの頃には気分も変わっているでしょうけどね。

さて、観てきたのはベッカムやオーエンの国、英国の作品。イギリスの映画って「当たり」もあるけれど、「ハズレ」を引いてしまうと、もうどうしようなくハズレだ。ドヨヨ〜ん。
確か、去年の今頃パラダイスシネマで観た「ボクと空と麦畑」も英国映画で、しかもどうしようもない「ハズレ」だった。それに並ぶハズレがこの「がんばれ、リアム」。

1930年代のリバプール。リアムは鉄工所で働くお父さん、お母さん、10代後半のお兄さん、中学生ぐらいのお姉さんの5人家族だ。リアムはまだ小学1年生ぐらいだね。
最初のシーンは、ニューイヤー・イブのどんちゃん騒ぎだ。この幸せそうな一家。お兄ちゃんはもう大人の仲間入り、下の二人は早くにベッドへ追いやられるけど、寝てなんかいられない。
でも、この家の幸せはそう長く続かない。父親が勤める工場が突然閉鎖され、彼は失業してしまうのだ。早朝から、日雇いの仕事を得ようと父親は路上に立つが、彼の妙に高いプライドが邪魔をして仕事にありつけない。日毎に忍び寄る貧困の影...。

ここから、幼いリアムを糧にこの一家がどれだけ変わっていくのかがこの映画のテーマかと思ったら、そうではない。この一家の状況は悪化こそすれ、いっこうに好転しない。そうこうするうちに、父親は極右政党に共鳴して、国粋主義、人種差別的行動が顕著になってしまう。そして、彼がとったユダヤ人敗訴の行動がより一層この一家に暗雲をたれ込めさせるのだ!

結局、そのまま映画はエンディングを迎える。これじゃぁ、リアムはもう頑張れないよ。
このつらい現実のなか、リアムはそれこそガンバッて生きて行くしかないのですね。でも、それはわかっている、せっかく映画を観にきているのだから、少しは夢を見させてよ!

おしまい。