「聖石傳説」

鳴剣山荘の夜はふける


  

続けて観たのは台湾の人形劇「聖石傳説」。会場はLoft地下にあるテアトル梅田。残念ながら、もう上映は終了してしまいました。
この映画に関しては珍しく内輪で盛り上がっていて、K企画のかっチャンや、カプチーにも先を越されていたのですが、ようやく終映前日に字幕版を観てきたのです。

この映画もパペット・ムービーなんでしょうが、ロシアからやってきた「チェブラーシカ」なんかとは全然違います。
台湾の伝統芸能、布袋戯(プータイシ)と呼ばれているものだそうで、わかりやすく説明すると「活きる」で演じられていた影絵の人形劇版でしょうか(どこが「わかりやすい」ねん!)。
小さい舞台があり、そこには人形を操る人と楽器を演奏する音楽担当の人、そして音声を担当する浪曲師のような人で構成されているのですね。この浪曲師の声色に合わせて、人形が動き、音楽が奏でられ、舞台が進行していくわけです。
人形師と楽器担当は複数の人がいるのですが、浪曲担当は一人だけです。したがって、浪曲師が男女を含めて何役もの声色を演じ分けているのが最大の見せ場でもあるのです。

台湾では、公開されるや否や大人気を呼び、ハリウッドのタイタニックを凌ぐ興行成績を収めたということです。
しかし、ぬるくて、眠たかった。
上映前に飲んだビールがほどよくまわってきたせいもあったのでしょうが、ついついまぶたがくっつきそうになる。しかも、わざわざ字幕版を選んで観に来ただけに、目をつむってしまうと、字幕が読めない! ほんまにつらかった!

ストーリーは単純で、なんとか石という、願い事がすべてかなうという石を巡る争奪戦で、これに親子の愛や、剣の達人たちの腕比べや陰謀策略などが入り混じるというもので、いかにも台湾や香港で好まれそうな題材ですね。
これを演じているのが、すべて人形なのです。ただの人形劇ではなく、ここにCGやSFXが駆使されているところがミソなんですね。

もうちょっと当たるかなと思ったんだけど、興行的には不発だったようです。
ストーリーはともかく、布袋戯がどんなものなのか知るために観ておいて損のない映画だったのではないでしょうか? おそらく近日中にビデオかDVDになるでようから、そのときに借りてご覧下さいな。

中国の剣豪モノって、実写版でどんなスターが出演していても人気はもひとつだから、今回のこの結果も仕方無いでしょう。
ボクはわざわざ字幕版を観たので、吹き替え版とは比較できないけど、ひょっとしたら、吹き替え版のほうが映画として楽しめたのではないでしょうか、そんな気がします。

おしまい。