「スパイダーマン」

ちょっぴりレトロなヒーロー


  

梅新にあった東映会館が閉館になるのに伴い新設された「梅田ブルク7」へようやく行ってきました。
場所は阪神百貨店のすぐ南側。イーマというファッションビルの7階になります。どの梅田駅からも以前の東映会館よりも近くなりました。梅田地区にはじめてのシネコンで、7つのスクリーンを持っています。東映会館は3スクリーンだったから、梅田はますます激戦区になりますね。
次はそろそろ古さが目立ってきた泉の広場のピカデリー、阪急にある三番街シネマあたりが建て替えでしょうか(三番街シネマは最近改装してたけど...)。
でも、あんな巨大なスクリーン、700名は入ろうかという座席数、昔ながらの雰囲気の東映会館も捨てがたかったけどね。特に5階にあった東映パラス2はこのところ地味目のアジア映画を上映するようになっていただけに残念です。

で、「梅田ブルク7」ですが、観客席の傾斜が大きく、見易くなっています。特に以前の東映会館とは比べようがないほどです。チケット売り場の係員がまだ慣れていなくて、極めて手際が悪かったのが印象に残りました。

観たのは、アメリカでの興行成績を塗り替えていると話題の「スパイダーマン」(ブルク7最大で座席数が445のスクリーンで上映)。
確かに、期待を裏切らない特撮と映像技術でスパイダーマンがニューヨークの摩天楼を飛び回る一大娯楽作品に仕上がっていますね。何の予備知識も無しに、いきなり観ても充分楽しめます。

でも正直な感想は「スパイダーマンって、こんなお話しだったの?!」ってとこでしょうか。
コミックとしてこのヒーローが誕生してもう随分と時間が経っているので仕方ないのでしょうが、主人公がスパイダーマンになったきっかけも何だかお粗末だし、彼とヒロインの関係にも「???」。まして、彼と育ての親である叔父さんとのエピソードも「どうもなぁ」。もっとも、こんな地味なエピソードの集大成が、スパイダーマンを身近に感じさせるのかもしれませんけどね。

しかし、最初はトレーナーにマジックで書き殴っただけの衣装だったのに、何時、どこであんなかっこいい衣装を手に入れたんだ!

(また、例によってですが)この映画の最大の欠点は、ヒロインのMJがかわいくないところだ。映画を観ながら「この子のために、必死になることないよ。スパイダーマン」って思ってしまう。
そして「この子、どこかで観たことがある」と頭をひねっていたら、ようやく思い出した。
去年の夏に公開された「チアーズ!」で主演していた女の子だ。キルスティン・ダンストというこの女優さんだけど「チアーズ!」の時のほうが何倍もかわいかった。この年頃の女の子はどんどん変化していくから難しいね。「シーズ・オール・ザット」のレイチェル・リー・クックだって、あんなに輝いていたのに、「シャンプー台のむこうに」のときには普通の女の子になっていたしね。

この映画の影のヒーローはなんと言ってもグリーン・ゴブリンでしょう。鬼というよりも、般若の面を思わせるマスクをつけて、サーフィンボードを思わせる空飛ぶボードで繰り広げるアクションはなかなかいい。このぶっ飛んだ役柄を演じるノーマン・オズボーンはいいですよ。ただ、正式に決定したという続編に彼が登場する余地があるのかどうかが疑問。是非、復活させてまた登場してほしい!

もちろん、感動の名作ではありませんが、観にいって損したなぁと後悔する映画でもありません。肩の凝らない娯楽作品としてオススメしますよ。梅田ではナビオでも上映中(なお、ナビオも北野劇場・梅田スカラ座・梅田劇場・ナビオシネ二館を総称して「ナビオシネプレックス」と言う名称になったそうです)。

ボクはこの映画を観ながら、子供の頃、高い熱を出して寝ているときに、スパイダーマンのように、ビルの屋上を次から次へと飛び渡って駈ける、そんな夢をよく観たなぁ、なんて懐かしく、ぼんやり想い出しておりました。

おしまい。