「ブラックホーク・ダウン」

まるでゲームのような


  

ゴールデンウィーク、早くも前半戦終了。
あれも、これもと思っていたけど、結局あんまり出来なかった。そんな中、野外活動はした。山歩きと、「目指せ豊作!開墾・2002」。
開墾の方は3年目を迎える、もう一昨年のように北海道の開拓移民の辛酸を再現するという辛さはなく、345さんの大活躍のお陰で、こちらは軽〜く一汗かいてビールが美味しい状態でした。

さて、この日はゴールデンウィークの谷間。電車も空いている。そして、映画館も空いていた。行ってきたのは「ブラックホーク・ダウン」。会場はナビオの北野劇場。空いていると言っても100名以上は入っているんだから凄いね。

何のために戦い、何を思って銃をぶっ放すのか?
この疑問に対して、この映画の中の解答は実に明快だ。
「生きるため。生き残るため」

アメリカの精鋭部隊が、'93年に国連軍の一員としてアフリカ東部のソマリアに駐留している際に、実際に起こった強襲作戦をリアルに再現している。
政治的駆け引きとか、戦略的意味とか、そんなのは全く関係なく、とにかく追い込まれてしまった窮地からいかに脱出して、いかに生き残るのか、それがテーマだ。一種のサバイバル・ゲームであり、ロール・プレイイング・ゲームのようでもある。
映画のノリとしては少し前に観た「エネミー・ライン」に似ている。決定的な違いは、ソマリアの民兵サイドからの描写が1シーンしかないことだ。だから「ブラックホーク・ダウン」を観ている人は、ジョシュ・ハーネットたちに襲いかかってくるソマリアの人たちは、人間ではなく何かゾンビのように感じていたのではないだろうか。悪魔に洗脳された怯むことを知らないゾンビ達が武器を手にして、次から次へとウンカのごとく押し寄せてくる...。
そのゾンビ達に対して、マシンガンをぶっ放し、空からはヘリが機銃掃射で、文字通り「なぎ倒して」いく。
人間としての苦悩を描いた訳ではなく、戦場に送り込まれた兵士達が、ただひたすら生還することだけを願って戦い続ける姿を描いている。
そう割り切った作品なのだ。

ラスト付近で死んだ幼子を抱きかかえたソマリアの老人が軍用車の前を通り過ぎるカットがむなしい。

この映画に何か「意味」とかを求めてはいけないのだと分かった。
もうしばらく上映しているはずです。

おしまい。