「ミスター・ルーキー」

素材が面白いだけに...


  

さぁ、4月。フレッシュな気分でがんばっていきましょう!
先週末からプロ野球が開幕。遥か以前は、ご多分に漏れず熱心なタイガースファンで、甲子園にもよく足を運んだが、ある出来事がきっかけになって、ぷっつりとタイガースからもプロ野球からも足を洗った。今、スポーツ観戦はもっぱらサッカーとアメリカンフットボール。この二つで十分楽しめるし、タイガースの勝敗に一喜一憂する方々を冷ややかに見るようにさえなった。もっとも、野球そのものが嫌いになったわけではなく、今でも春夏の甲子園(高校野球)は見に行くことも多いんやけどね。

さて、前置きはこれぐらいにして、今回観てきたのは「ミスター・ルーキー」。
タイガースの開幕二連勝を受けて、三番街シネマにはさぞかしトラキチが集合しているだろうと期待していたのに、50名前後の入りとはいささか拍子抜け。月曜日だから仕方ないのかな。
こんな映画を作ってしまうあたりが、なんともタイガースのキャラクターなんでしょうね。これが、ジャイアンツでもドラゴンズでもましてやカープでもこの映画は成り立っていないような気がします。
けちを付けるとしたら、バースでしょうか。彼の登場で一気にこの映画のリアリティが失われてしまった。彼が出てくるまでは「こんなことあるわけないやん。でも、ひょっとしたらあるかも知れへんなぁ」と思わせていたのに、一気に「お笑い」路線へ突入や(残念)。
映画って、大きなウソ(この映画の場合はミスター・ルーキーの出現)をほんとらしく見せるには、周囲を一層強固に固めてリアリティさを持った演出にしてお客さんをだまし続けてくれないと...。周囲のリアリティさが崩れた瞬間に映画そのもののが完全に作り話しになってしまう。
それでも予想以上の出来で、十分楽しめた(これ以上長島一茂や駒田に演技を求めるのは無理でしょうからね)。
ボクが最も気に入ったシーンは一茂(ミスター・ルーキー)がテストを受けるために甲子園のグラウンドに初めて足を踏み入れるところ。このシーンを見ていて、甲子園というのは他の球状には決してない、日本野球の聖地としての重みがあるんだなぁ、と思いました。なんだかそこ(甲子園)にいるだけで思わずワクワクドキドキしてしまう、そんな場所なのですね(もちろん学生のフットールプレイヤーにとっても、年末の東西王座決定戦「甲子園ボウル」が行われる場所としての聖地でもあるんやけど)。
監督を演じている橋爪功が好演。彼がタイガースの監督と聞いて違和感を覚えたけれど、どうしてどうして、すっかりハマリ役。逆に竹中直人は浮いているというか、空回りしていましたね。
少なくとももう数週間は上映しているはずです。このままタイガースが好調なら、ひょっとしたらあと1カ月以上上映しているかもしれません。トラキチならもちろん、そうでない方でもそこそこ楽しめるんとちゃうかな。
ホントはもっと辛口の感想を書こうと思ったんやけど、それなりに楽しかったので、ちょっと優しく書いてしまいました。素材が面白いだけに、料理方法によってはもっともっと美味しくなっていた、と思うにはボクだけではないでしょうけどね。

次回は「マルホランド・ドライブ」か「エネミー・ライン」をご紹介する予定です。

エープリル・フールってわけでもないでしょうが、またしても拙宅のi-macくんが不調に陥ってしまい再入院を余儀なくされました。ついこないだ退院してきたばっかりなのに! そのため「偽ジェ」の配信も「杭州飯店」の更新も思うに任せられません(あんまり期待もされていないだろうけど)。

おしまい。