「バッファロー'66」

さよならパラダイス


  

続けてパラダイスシネマで「さよならレイトショー」を観る。
今夜は「バッファーロー'66」だ。この「偽ジェ」でも99年にご紹介している作品ですね。ヴィンセント・ギャロ主演でクリステーナ・リッチが共演している、敢えて言わせていただければ‘青春映画’です。

改めて観てみも‘いい映画’だなぁ。

印象に残るのはやっぱり写真を撮るシーンとベッドシーン。
そして、刻々と変わっていく二人の関係だろうね。特にレイラの表情がいい。この人ほんとにいい役者さんです。
ヴィンセント・ギャロはこんなおっさんのどこがいいんやろって思わせておいて、ほんとに隅に置けないというか、なんとも味のあるおっさんです。

たった半日間のことが描かれているだけなのに、人ってこんなに変わるんや、成長するんだって認識させられます。それだけ中味がぎゅっと詰まった映画なんですね。
冒頭の小便ちびりそうな事件で観客の緊張を溶かせておいて、いきなり誘拐事件発生。
最初は「殺す」とか「ほっぺたを噛み切る」なんて過激なことを言っておいて、次からは「口を聞いてやらない」に変わる。
こういう細かいセリフのアヤがわかるのも二回目ならではやね。
「友達になってやる、それも一番の友達だ」
ビリーはレイラに友達になってもらって良かったね。

いい映画なので未見の方には是非ご覧いただきたいですね。スクリーンで観るチャンスはそう無いでしょうから、DVDやビデオででもご覧ください。
罪が無くて優しくてほっとするそんな作品です。


パラダイスシネマに初めて足を運んだのは、確かジジちゃんがちょこっと出ている香港の映画でトニー・レオンが主演の「裏町の聖者」だったように思います。この時はまだこの偽ジェを書いて無かった。
それ以来、偽ジェに登場したのは38本。初はイラン映画の「運動靴と赤い金魚」(イイ映画やったなぁ)。どれもこれも想い出深い作品ばかりだ。そして二本目と最後は「バッファロー'66」。いい映画でいい想い出が締めくくれて良かった。 職場が西梅田の桜橋にあるので、新梅田シティやテアトル、ミュージアムスクエアに歩いて行くよりも、四つ橋線に乗ってパラダイスへ行く方が時間的に早かった。
それにしても、残念で淋しい。さよならパラダイス。

今後は運営する会社が代わって映画館として存続するらしいです。そちらに期待しましょう。
今朝の新聞にはビリー・ワイルダー監督の死を知らせる記事が載っていた。
ジャック・レモンが亡くなったのは去年だったか...。これまた淋しいですね。

おしまい。