「血の記憶」

ちょっとへこんだ


  

ミュージアムスクエアでもう一丁。
イタリアの南部にあるサレント半島。ここにある淋しい街でのお話し。

映画の雰囲気は去年観たスペインの「ベンゴ」のような感じ。血縁や地縁で結ばれた街で、その地方独特の音楽が奏でられる(この映画ではピッツィカータ)。そして、ドラマが展開される。
でも、この映画はちょっと暗いな。
やるせなさが漂い、失業してどうしようもなくて、クスリに溺れたり銀行強盗をするのならわかる部分もある。だけど、この映画では、もう30も過ぎて分別もついた大人が夜な夜な集まって遊ぶなんて、ちょっと理解できないな。もう10〜15才は若くないと...。

後半に入ってピーノのバンドがお祭りのステージで演奏するシーンはさすがに迫力があった(サントラあるかな?)。
タンバリンって単に打ち鳴らすだけの単純な楽器だと思っていたけど、認識を改めました。奥が深いなぁ。それにイタリアの方々の情熱とリズム感がビンビン伝わってきました。

この映画で値打ちがあるのはこのシーンだけで、お話しとしてはもう一つ、パッとしない。せっかく、このピッツィカータの名手を配しての映画ならもうちょっと違う作り方というか、見せ方があったんではないかな。「ベンゴ」のように魂を揺すぶられるようなものを期待していただけに、ちょっとへこみました。

この映画もミュージアムスクエアでもう一週間上映されています。
お客さんはちょっとだけ増えて6名。

おしまい。