「恋愛回遊魚」

夢かうつつか...


  

5年振りに人間ドッグへ行ってきた。なんてことはないのだけど、最後の検査で炭酸を飲み、さらにバリウムを飲み込んで胃のX線検査はちょっとなぁ。前回の悪夢が脳裏をよぎる。でも、薬が進歩したのかそれとも体調が良かったからなのか5年前ほどの苦痛はなく、無事終了。結果はどうかな。

さて、人間ドッグを無事済ませ梅田に戻って観たのは「恋愛回遊魚」という台湾の作品。上映時間は1時間弱の短い作品。
どう表現したらいいのかな? ちょっとつかみ所のない映画だ。
特にこれと言ってストーリーがあるわけではなく、かと言って生活感があるわけでもなし、なんか不思議な映画。
どこまでが現実でどこからが夢なのか、良く分からない。なんだか、目覚めてみたらよく内容を覚えていない夢を見た後の「起き抜け」のような気分にさせてくれる(ちょっと、良く分からない表現だけど)。

30の無職のお兄ちゃん・ワンとアイドル高校生・ミュウミュウの恋愛が一応のテーマなんだろうな。ワンはスチュワーデスの彼女と同棲している、いや、電気代だけを彼が持って、後は彼女に養ってもらっている。
ミュウミュウは高校生でありながらテレビCMにも出演するアイドル(?)だ。ワンとはアルバイト先の日式拉麺店で知り合った。
自分はレズだと公言するミュウミュウだが、いつしかワンに惹かれていく。ワンには彼女がいることも分かっているし、いつまでこの関係が続くのかわからないことも知っている。
ある日、彼女は冷蔵庫の中にワンに宛てた手紙を残して学校へ出かける、でもその手紙の中味は今まさにミュウミュウがバスの中で書いている内容なのだ。
「ディア、ワン。あなたと別れて15分、あなたと別れて淋しいわ...」

この二人を取り巻く、狭い人間関係がふわふわと描かれている。濃厚ではなくほんとに淡々とさらっと描かれている。
CMの共演者、拉麺店の女主人と娘、歯医者、散髪屋の娘...。

そして、最後は夢の中にいるような、ちょっと奇妙なエンディング。

来週一杯は扇町のミュージアムスクエアで公開中です。平日ということもあって、お客さんはたったの4名と淋しい限りでした。

おしまい。