「キリング・ミー・ソフトリー」

燃え上がる恋は、燃え尽きる


  

あのチェン・カイコー監督ということもあり、公開前から前売りを買っていたんだけど、耳に聞こえてくるウワサはよろしくないものが多く、ついつい後回しになって、上映最終週になってしまった。
普段は小さなスクリーンで映画を観ることが多いので、ナビオの梅田スカラ座へ行くとなるとわくわくする。なのに、この日は上映館が同じナビオでも階が一つしたのナビオ・シネに変更になっていた。お客さんの入りが悪いんだろうけど、かなりショック。ガーン! 火曜日の最終回、それでもナビオ・シネには50名は入っていたでしょうか。

そんなに悪くないじゃん。

確かに、胸踊りワクワクする作品ではないかもしれない。それでも、充分合格点が付けられる映画だと思う(「ピアニスト」よりもずっとイイ)。
恋に落ちていくのは一瞬だ。もちろん映画の世界だから美男美女だ。そして溺れるように、その恋にのめりこんでいく。
問題はここだ。どうして、主人公の心の揺れをもっと、丁寧にあるいは執拗に描かなかったんだろう。惜しい!
同棲相手の建築技師を取るか、新しく出会った登山家を取るのか、その迷いが彼女にあったはずなのに、それをあっさり描きすぎているところに、後々の話しの展開も含めてこの映画の弱さがあるんとちゃうかな(偉そうですが)。
ボクはそんな「心の揺れ」に弱い人間なんです。
どうせ(?)この映画はある種ヘザー・グラハムのプロモーション・ムービーなんだからもっと苦悩する(精神的にですよ!)彼女を見せてくれて楽しませてくれないとね。

主演のヘザー・グラハムは時にはっとさせられるほど童顔で、美人だ。まるで顔の90%が瞳と口だけのような気もするけど。こないだ観た「フロム・ヘル」よりも数十倍いいです。ちょっぴりファンになりました。しかし、彼女のような人が職場で一緒やったら、ドキドキしてしもて、目のやり所に困るっていうか、仕事が手につかへんやろうなぁ。
一方、相手役のジョセフ・ファインズもなんだか妙に髭顔が似合っていていいんだなぁ。昔の太っていないころのジョン・トラボルタを彷彿させます(古いか)。ちょっと変態的な性癖はどうかとも思うけど(「ピアニスト」に比べたらウンとましだしかわいいもんだ)。

ヘザー・グラハムが勤める会社の上司(?同僚?)でちょこっと顔を出していたのは、例の「ギャラクシー・クエストの」爬虫類のスポック博士、アラン・リックマンではないだろうか?

それにしても、すごいフラットに住んでいるの。あこがれるなぁ。登山家ってそんなに儲かるの? ボクももう少し本格的に山に挑もうか、なんて思ってしまいました。

もうすぐ上映終了なので、皆さんがご覧になるチャンスはあまり無いと思いますが、よろしかったらご覧ください。ミステリーとか謎解きというジャンルの映画ではなく(そういう観方をするとがくっとしますよ)、あくまでもヘザー・グラハムのプロモーションとしてね(あるいは、ちょっとダークがかった美男美女の恋愛映画としてね)。

ところで、先週の土曜日に半年振りに加太(和歌山)へ釣りに行きました。生憎の天候で、雨は降らないものの、強風と荒れ狂う波で結構ツライ釣りになってしまいました。せっかく東京からスの字さん(仮名)もお越しいただいていたのに! 結局、釣果も赤いのがいない寒い結果になってしまい、是非リターンマッチを、と計画しています。
暖かくなってきたら、映画を観るのももちろん、ロンドンの豪華フラットに住むために山あるき(これも、最近サボっている)、サッカー観戦、家庭菜園の準備、ツバキの植え替え、そして目前に控えた桜花賞と、それこそ行事メジロ押し! 身体が幾つあっても足りないよ!

おしまい。