「プライベートレッスン/青い体験」

青春っていったい...


  

このタイトルどうにかならへんかなぁ。前日に窓口で前売りを買うときも、ちょっと口ごもってしまった。いい年したオッチャンが観るのには、ちょっと勇気がいる。まるで高校生が「エマニエル夫人」を観るような気持ちなのかな?
館内の雰囲気もいつもの韓国映画とはだいぶ違う。圧倒的におっさんが多いのだ。これだけアダルト路線で告知すれば仕方ないか。前売り券と一緒にもらったチラシも思いっきりアダルト路線やもんなぁ。いつもなら若い人が多い韓国映画でも、今回ばかりは...。
ちゃんと漢字のタイトルも付いていて、それは「青春」。なんとも中途半端なタイトルだけど、日本でもこの「青春」というタイトルで押せばもう少し動員も見込めたんとちゃうかな。
内容も思いっきりエッチ路線かと言うと決してそんなことはなく、男の側から見た青春映画に仕上がっています。
「情事」とどっちがエロチックだったかと尋ねられたらボクは「情事」に軍配を上げますけどね。

高校生の頃って、誰もが異性に対して異常な関心を持つよね。主人公チャヒョ(キムレウォン)もそうだ。そして、ちょっとませた女友達にリードされるがまま初体験を済ませる。でもこの主人公は行為そのもには興味をみなぎらせていたものの、「好き」とか「愛している」なんて感情にはほとんど興味を持っていなかったから、そこに悲劇が生じる。行為の後冷たくされた女友達は思い余って校舎の屋上から飛び降り自殺してしまうのだ。
一方、この主人公の親友スイン(キムジョンヒョン)は学校に現れた新任の教師に恋焦がれてしまう。こちらは少々オクテだから思いを胸の奥深くにしまいこんで、先生には打ち明けられない。ある日、とうとう告白するのだが教師は生徒を相手にしてくれる訳もない。
二人はキョンジュにある大学にめでたく進学。チャヒョは人生はセックスだと言ってはばからず、大いに遊ぶ。スインはまだ心を故郷の先生に残したままだ。
一方、チャヒョは性病の治療のために訪れた病院で魅力的な看護婦ナモク(ペドゥナ)に出会う。そして、彼女からの献身的な愛(?)と親友のそれからの心の彷徨いを見せつけられて、人生においていかに「愛」が必要なのかを悟るのだった。

テーマのが割にドラマが薄っぺらなので、とてもできのいい青春映画とは言えないけれど、それなりに観られる映画には仕上がっています。チャヒョに対しては「おまえ、もうちょっと早く気が付けよ」って気がしないでもないけどね。それに、スインの一途な思い込みにも「?」は付くけど...。
いかにも今風のルックスをしたペドゥナにはなかなか好感が持てます、と言うか気に入りました。スインが思いを寄せる先生・チンヒギョンにはそう魅力を感じなかったけどね。

そうオススメではありませんが、気が向いたらご覧くださいな。関西では4月に入ってから天六のホクテンザで公開の予定だそうです。
ところで、この映画を観た銀座の映画館「銀座シネパトス1」は地下にあるんだけど、ビルの地下ではなく道路の下にあるんです。それだけでも驚きなのに、スクリーンの下にはさらに地下鉄(銀座線)が通っていて、すごい立地の映画館。びっくりしました。

さて、次回はオスカー候補ともささやかれている「ビューティフル・マインド」の試写会の様子をお伝えします。

おしまい。