「ソウル」

ウ〜ム、どうもなぁ


  

1週間(正確に言うと9日間)も仕事を離れていると、すっかりボケてしまう。
月曜に職場に着いても、頭の中には薄いカスミがかかったような状態で、完全に「リフレッシュ・ボケ」だ。仕事が手に付かないどころか、仕事そのものを忘れてしまっている。あかんなぁ。ようやく、金曜あたりになってカスミが晴れてきたと思ったら、また土日は休みだ。
でも、ボケてしまって頭を使わないからか、それとも何も考えていないからか、リフレッシュ明けの一週間がいつもの週より仕事が順調に進んだのは皮肉なもんだ。

さて、頭にカスミをかけたまま観てきたのは、先週一杯で上映が終了した映画「ソウル」。ナビオにある巨大な映画館「梅田劇場」で観てきました。第一水曜日に設定されている「映画の日」にもかかわらず、ちらほらと言う集客で淋しい限りでした。
お話しは、出張でソウルへ来てたまたま現金輸送車強奪事件の現場に出くわした警視庁の若い刑事(TOKIOの長瀬智也)が、この事件の捜査を担当しているソウル市警のチェミンスと反発しあいながらも協力して(?)事件を解決するというもの(かなり強引な説明ですけど)。

チェミンスと長瀬智也は最初から役者が違いすぎるので勝負になっていないのはともかく、それ以外にもどうもしっくり来ない箇所が多い映画だった。
アクションシーンが売り物だった割には、アクションシーンはどれもこれも薄っぺらいし、安っぽい。
それと、これだけ大がかりの事件を引き起こす黒幕の動機付けがどうもお粗末。そんな理由でこれだけの事件を起こすか? もっと違う方法があるやろ!って感じやね。
まだある。映画の中で使われるエピソードがどれも中途半端。
最もアタマに来たのは、長瀬智也が知り合ったソウルの少年とバスケをしながら日韓の関係についての長いセリフ。もう勘弁してよって感じ。今さらこんな話題を長瀬智也から出す必要はないだろう。

人物描写も中途半端だから、チェミンスにも長瀬智也にも感情移入できない。
チェミンスはただ殴るだけの気の弱い部長にしか見えないし、長瀬智也もわがままな出しゃばりにしか過ぎない。この二人の人間的な魅力をもっと出さないと映画に厚みが出ないよ。
さらに、通訳の女性。この人、映画の中でも通訳以外の何者でもない。これはもったいない。彼女がもっと光ってこそこの作品に面白みが出ると思うんですけどね。

この映画、日本人の監督・長澤雅彦が撮っているんだけど、もし、韓国人の監督が撮っていたらどんな映画になっていただろう。ボクはそっちの方を観てみたい。

最後に、長瀬智也がソウルからお土産で持って帰ろうとする荒縄でしばったカメ入りのキムチ、どこで売っているのかな? それは凄く気になりました。

おしまい。