「ロード・オブ・ザ・リング」

猿の惑星とスター・ウォーズを足したような映画?


  

先日までの寒波がウソのように、妙にナマ暖かいですね。これからもう少しは寒さと暖かさが交互して春になっていくのでしょう。みなさんお元気にお過ごしですか?

今回ご紹介するのは「ロード・オブ・ザ・リング」。ファンタージー小説の元祖(?)なんて呼ばれている「指輪物語」が映画化されたものです。原作は全9巻という長大な作品で、第一部が4巻、第二部が3巻そして第三部が2巻で構成されています。
今、その原作を読んでいるのですが、その長いこと長いこと。しかも第1巻の最初の1/3がとてつもなく「面白くない」。この部分で挫折してしまう読者の方も多いようです。書店さんのお話おでは1巻の売れ行きは「ごっつい」けど、2巻目以降は「さっぱり」らしいです(ここまで落差があるシリーズも珍しいとか...)。
登場人物の名前も恐ろしく覚えにくいものが多いし、地名やさまざまな生き物の名前もみんな長くて覚えられません。それでもなんとか我慢して、とうとう最終の9巻目までたどり着きました。でも、読み出したら止まらないほどの面白さ!

さて、今回はラッキーに恵まれて試写会でこの映画を拝見しました。ありがとうございます。
映画はこの長い長い小説の第一部を映画化したものです。文庫本でおよそ1,000ページ近い長さを映画化しただけに、上映時間は2時間58分という長さ。あまりの長さに上映中に何度も時計を見てしまいました。場内でも途中で伸びをする人や、ため息をつく人、お尻が落ち着かない人が何人も見受けられました。
原作を読んでからこの映画を観るのがセオリーだとは思いますが、もちろん、読んでいなくても充分に楽しめます。

一言で表現すると「猿の惑星とスター・ウォーズを足したような映画」とでもなるのでしょうか。
宇宙船などの乗り物はもちろん登場しませんが、随所にちりばめられている大迫力のシーンには、まさしく息を飲みます(特に坑道での逃亡劇、石の階段のシーンは圧巻!)。
繰り広げられる合戦のシーンや大自然の中を闊歩するシーンなどはほんとに映画ならではですね。
この映画は大きいスクリーンと音響設備の整った劇場でご覧いただきたいです。

が、諸手を挙げて賞賛してばかりもいられません。
まず、登場人物の役者としての魅力の少なさが目立ちます。もう少し著名な誰が観ても知っている役者を起用しても良かったのではないでしょうか。
そして、エピソードの詰め込まれ過ぎていて、途中で(いや、最初から?)何がなんだか分からなくなってしまうのです。
1,000ページのの原作を約3時間に押し込む方にムリがあるのでしょうけどね。いろんな登場人物が出てきて、誰が重要な人でどの人がすぐ忘れていい人なのか分かりませんね(原作でもそうだけど)。
最後に、最大の欠点は「尻切れトンボ」のまま終わってしまうことです。小説なら本屋へ行ってすぐに第二部を買って読み進めば良いのですが、この映画を観た観客は続きを観るのに何年も待たねばなりません。これって、ひどいよね。しかも、この映画の終わりには「オチ」もなにもない。唐突に終わってしまう? 上映終了後に場内でもちょっと不満の声が上がっておりました。

でも、なんだかんだ言っても素晴らしい映画です。
一見の価値は十二分にありますよ。オススメ。
正直言ってボクは続編が待ち遠しい!

おしまい。