「ジェヴォーダンの獣」

内容がてんこ盛りのちゃんばら活劇


  

時代は18世紀。今から250年ほど前のお話ですね。そのころの日本はと言えば江戸時代ですね。ここフランスでは革命前夜。
そのころ、フランスのジェヴォーダン地方(どこにあるんや?)では、村人たち、しかも女子どもばかりが得体の知れない獣(けもの)に襲われて命を奪われる事件が続発していた。生き残った者の証言によれば、この獣はオオカミのようだがオオカミより大きく、鉄の鎧をつけている言う...。
ふつうこんなわけのわからん獣が野原をうろうろしていたら、住民はパニックになるわなぁ。ボクならこの地から逃げ出してしまう。なのに、この地方を治める貴族達はノホホンと構えているし、住民達ものんびりしている(ように見える)。
国王から、この獣の正体を調べるように学者・グレゴワール・フロンサックが派遣される。フロンサックには従者として彼の義弟・新大陸アメリカから連れてきたインディアンのマニが一緒だ。この二人の登場する雨の中のシーンはかっこいい。まるで日本の時代劇を観ているようだ!
一体この獣の正体は何か? そして、男の友情、ロマンス、陰謀そしてカンフーアクション(?)と盛りだくさんな内容。

でも、何と言うか、全部が全部少しずつ‘ぬるい’ねんなぁ。もうひとつピりっとしていない。インディアンのマニが見せるアクションが一つの見せ場やねんけど、あんまりスピード感がない。チャンバラシーンも笑ってしまうなぁ。特に骨で出来た伸び縮みする剣にはびっくりすると言うか、何と言うか...。もちろん、こんなアクションシーンがお好きな方もいるんでしょうけどね。
あと、ボクの記憶力や集中力の問題もあるのでしょうが、ストーリーがちょっと分かりにくい。もう少し単純なお話しにした方が良かったのではないかな。

女優陣には文句無し! 「マレーナ」でボクのハートを鷲掴みにしたモニカ・ベルッチが、もう、スクリーンに映っているだけで「匂ってくる」ような存在感。対照的なのが貴族の娘マリアンヌを演じるエミリエ・デュケンヌと言う方。ふっくらとしたほっぺと初々しさが印象的で、中世の衣装が映えますね。狩りへ行くときの服装がまたチャーミング。
それに対してフロンサック役のサミュエル・ル・ビアンはちょっと線が細いかな。マニを演じるマーク・ダカスコはなかなかかっこいいけどね。

会場は梅田の三番街シネマ。50名ほどの入りでした。もうしばらく上映中だと思います。次回は「オーシャンズ11」をご案内しましょう!

おしまい。