「約束/ラ・プロミッセ」

静かな友情


  

今夜降っている雨が夜中には雪に変わるそうだ。起きたら一面の銀世界になっているのでしょうか?
山を歩くようになって、以前ほど雪は珍しくなくなった。それでも街中が白くなるのはいつ以来かな。ちょっとうきうきしてきますね。でも、明日が休みでよかった。(結局、雨のままだったようで、翌日はいつもと同じ朝だったのが悲しい...)

珍しく土曜日の夕方に映画を観る。フランス映画の「約束/ラ・プロミッセ」、そういえば最近ヨーロッパの映画をよく観るようになった。
病院の高齢者用病棟に入院しているアントワーヌ・ベランは全身が麻痺して動かない上に軽いアルツハイマーも併発している。動くのは目だけだ。医者は気がついていないが、本当は目もちゃんと見えるし耳もちゃんと聞こえる。
今まで担当だった看護婦が婦長に昇格して、新しい看護婦に代わった。彼女は若くてかわいくてよく気がつく看護婦だ。ベランは彼女が人目で気に入ったんだけど、それを彼女にも誰にも伝えることが出来ないし、触れることも出来ない(もっとも、彼女がベランの身体をぬぐってくれたりするんだけどね)。
そんなベランの病室に最近ちょくちょく顔を出すようになった男の子がいる。このマーティは小児病棟に入院しているのだ。最初は悪さばっかりしていたマーティだが、いつしかベランのことが気に入り、彼と友達になろうとする。そして、いつしか二人は二人だけの方法でコミュニケーションがとれるようになる。

病院では入院患者の入れ替わりが激しい。特にガンの患者は。いつも仲良くしていた二人の患者は相棒の死を受け入れられなくて、いつも相棒の姿を探している。毎日お見舞いに来ていたベランの奥さんも急に亡くなってしまう。まだ小学生のマーティだって急に具合が悪くなって集中治療室に入れられてしまう。
病院というのはいつもすぐ隣に死が待っている。中には元気になって退院する人もいるのだろうけど、この映画にはそんな人は出てこない。
ベランとマーティーの友情だっていつまで続くのかわからない。ある日突然どちらかの死で終わってしまうのだ。
この映画はしゃべれないはずのベランの心の中での「つぶやき」が主人公だ。ベランはマーティーにこうつぶやく「約束してくれ、死なないと...」と。

派手さはないものの心にしみいる佳作です。会場は新梅田シティのシネ・リーブル梅田。今週の金曜日(2/8)まで上映しています。土曜の夕刻とあって、若いアベックを中心に7分ほどの入りと盛況でした。次回はナインティナインの岡村主演の香港映画「無問題2」をご紹介します。