「メメント」

ちょっとつかみ所がない不思議な映画


  

お正月は慌ただしく過ぎていくものですね。特にこれと言って何もしていないのに、気が付くともう長かったお正月休みも終わりです。
そんな4日に観に行ったのは「メメント」というアメリカ映画。会場は新梅田シティの梅田ガーデンシネマ。朝一番の11:30開始の回を観るべく20分前に会場に着くと、もう残席僅か。信じられへん! でも運良く、後ろから3列目の真ん中の席がアベックに挟まれる形で空いており、ずうずうしくその席に座らせていただく。

問題作だけあって、なかなか斬新なアイデアが盛り込まれた作品。
この映画は是非多くの方に観て貰いたい。

主人公レナードは後天的な記憶喪失。奥さんが家に押し入った賊にレイプされ殺され、自分も頭を強打したのが原因だ。だから、この事件までの記憶は鮮明にあるのだが、その後の記憶はない。しかも、10分前に自分が何をしていたのか、何を考えていたのかも分からない。思い出せないのだ。
そのため、大切な出来事は必ずメモを取ったり、ポラロイドで撮影して残しておかないと、次から次へと忘れてしまうのだ。

こういう設定も斬新だけど、映画の作りそのものもかなり斬新。

レナードは「いつも、眠りから目が醒めた状態」なのだ。何か夢を見ていたような気がするけど、その夢を思い出せない、そんな瞬間の繰り返しだ。
本当に重要な事は体中に施した「入れ墨」に残しておく。彼が今なお生きているのは奥さんをレイプして殺した犯人に対して復讐する、ただそれだけの理由なのだ。でも、その理由さえ時として忘れてしまっている。

結局、最後まで観ているボクにも何がホントで、何がウソなのかよく分からない。そして、時間が許すなら、もう一度観てみたいと思う。そんな、ちょっとつかみ所がない不思議な映画です。
おそらく、ガーデンシネマでもう少し上映しているでしょう。ひょっとするとロングラン上映になるかもしれません。正月早々、今年のベストテンに入りそうな作品にブチ当たってしまったような気がします。

次回は「恋する遺伝子」をシネ・リーブル梅田へ観に行く予定。

おしまい。