「セイブ・ザ・ラストダンス」

ボクもだらしなく座る練習をしよう!


  

確か、梅田のOS劇場で上映中のはずだと思ってんけど、確認するとOS劇場では「猿の惑星」をやってる。「あれぇ〜」。
調べてみると、茨木のワーナー・マイカルと三宮のアサヒシネマで細々と上映していた。この夏に一斉に公開された大作のあおりを喰って、梅田地区からはじき出されてしまったのか。
三宮で18:30はちょっと苦しいけど、電話で確認したら15分ほどの予告編があって、それから本編が上映されるとのこと。それなら間に合うかな。で、間に合った。30名ほどの入りだからイイ感じですね。

梅田から追い出されるほど「つまらない」映画ではないと思うけど、派手さがないのも事実。結果はこうなるやろな、ってわかってはいるんだけど、最後はちょっとホロッとしてしまいました。
失意や挫折から立ち直って、最後に栄冠を掴むという、出来過ぎだけど良くある青春映画の黄金パターン。

「真面目さ」が気に入ったなぁ。

ダンスの映画でもあるんだけれど、恋愛映画でもあり、青春映画でもある。二人して、営業が終わった学生食堂で、ダンスのステップの練習をする。ステップだけでなく、雰囲気を掴もうと(?)「だらしなく椅子に腰掛ける」練習も。このシーン良かったなぁ。空きビルの一室でステップの練習を続ける。そりゃ、自然と二人は恋に落ちるわナ。
でも、やっぱり壁がある。黒人の少年と白人の少女の恋には。

少年は「このままスラムにいる人じゃなくて、スラムから抜け出す特別な人」。その彼を転校してきたサラが奪ってしまうなんて、彼女が白人じゃなくても、他の女の子からは総ブーイングだ。
デレクには幼なじみで、ヤクザ気取りの古い友達がいる。大学の医学部に入学が決まったこれからの自分のキャリアを大事にするのか、この友達との友情を取るのか、大いに揺れ動く(しかし、高校生同士のいざこざで拳銃の撃ち合いをするか、普通)。他の友達からも「白人女と付き合うのは、災いの素だ」と冷やかされ揶揄される。
サラだって、田舎町から出てきて、いきなり大都会のスラムに近い公立高校に放り込まれて、周りを見れば、黒人かヒスパニックばかりで、ほとんど白人はいない環境でよく頑張ってる。ボクならびびってしまって、すぐに登校拒否やな。それでなくても、彼女は心に大きな傷を負っているのに。

自分のほんとの夢は何なのかを気付かせるデレクも偉いねぇ。映画以外の世界なら、もう一度チャレンジして成功するのは難しいとは思うけど、最後にはサラを合格させてあげたいなって思いました。

ちょっと影が薄いけど、ジャズ・トランペッターのお父さんもいい味出してましたね。
まるで「フラッシュダンス」をなぞっているような映画ですが、チャンスがあれば一度ご覧下さい。

おしまい。