「チェブラーシカ」


  

台風が遙かオホーツクに去ると、誰もがこれで涼しくなるのではないかと思うもんじゃない。ところが、いつまで続くのかこの暑さ。日中の陽射しを浴びて歩くなんて身体に悪いよ。早く秋が来ないかなぁ。

そんなある日の夕方に観てきたのが、ロシアから来た掌品「チェブラーシカ」。会場は扇町のミュージアムスクエア。この会場が満席になったのは二度目の経験。今回は座れなかった。短い映画だからなんとか我慢できたけどね。

チェブラーシカはとってもかわいい。猿なのか、熊なのかそれは良く分からない。だって、「学問上分類不可能な動物」だと言って動物園さえも匙を投げてしまうのだもの。
どこか南の国からオレンジの箱に詰められてロシアにやって来たんだ。オレンジを食べて、寝ているうちに、気が付いたら、そこはモスクワだったんだ。お店の客引き用にショーウインドウに飾られて、仕事が済むと、街の電話ボックスの中で寝泊まりしてたんだ。
そうこうしていると、この電話ボックスに動物園に勤めているワニのゲータが「友達募集」の張り紙をしに来て、ボク(チェブラーシカ)はゲータと友達になることにしたんだ。
ロシアの動物園ではそこにいる動物たちは、動物園に勤めていて、5時になると勤め先の動物園から自宅に帰って、アフター5を楽しむんだよ。

チェブラーシカはどちらかというと、ちょっと冴えなくて、ちょっと薄汚れている。でもね、そんなことは全然関係ないの。だって、彼はとってもかわいいんだもの(すばらしい)。演出も全くあか抜けないし、演技はどこまでもアナログだ。
どうして、そんなチェブラーシカが魅力的なんだろう。

今回は、チェブラーシカの20分ほどのお話が3本。最初は、上に書いたチェブラーシカとワニのゲータの出逢い。二本目はチェブラーシカとゲータが、モスクワ版のボーイスカウトに憧れるお話し。そして最後が、夏休みを過ごすために、二人が汽車に乗るのだけど、意地悪なおばさんに邪魔をされてしまうお話し。
どれも、チェブラーシカもゲータもとっても「いい人」なの。どうしようもないぐらいにね。ボクもこんな二人と友達になりたいよぉ。こころのちょっとした安らぎが欲しい人にはオススメの佳作です。
いまも、ゲータが弾くアコーデオンのメロディがボクの頭のに響いています。 もう少しの間だミュージアムスクエアで公開中です。

明日は早起きして、山へ行こう。山にはもう「秋の気配」があるはずだから、それを探しに行ってきます。

おしまい。