「天上の恋歌」

サービス精神が感じられない珍しい香港映画


  

香港の旺角(モンコック)に住む4人の生活をスケッチした作品。従って、大きなストーリーは無く、それぞれの生活が4人にビミョ〜に絡み合って映画は進んでいく。ボクは同じ旺角の生活を描いた作品なら「リトルチュン」の方が好きだなぁ。

しがないAVレンタルビデオ屋の男、この男より年上で大きな中華料理屋でエレベーター操作係をしている女。大陸から不幸な過去を背負ってやってきた娼婦。そして、さえないエレベーターの保守点検係りの青年。
きっと4人とも大陸(中国)から香港へやって来たのだろう。映画の中では、広東語と普通話(中国語)が混じり合って交わされる。

見る人が見れば、薄暗い映像の中に旺角の風景や臭いが点描されていて「たまらない」のだろうけど、ボクにはこの映画の「良さ」というか「値打ち」がよくわからなかった。4人の生活を追っているんだけど、そこにはドラマが欠如していて、観ているボクをシラケさせてしまうのだ。

娼婦の役にワン・ネイ(王寧)。背が高くて、スタイルが良くて、愛嬌のある顔立ち。いかにも古いタイプの大陸の女優さんだけど、今後「大化け」するかもしれません。広いダンスホールで、独りで踊る舞踊は素敵でした。

このところ「ハズレ」の映画が多くて、少しメゲそうです。香港ものでは、間もなく封切りされる「恋戦・OKINAWA」(レスリー・チャン、フェイ・ウォン)に期待ですね。
会場は久々の扇町のミュージアムスクエア。お客さんは10名程度で、この会場らしくてイイ感じですね。
あの、ねっとりとした空気と臭いに囲まれて旺角の街角を歩いてみたい(台北でもいいけどね)!

おしまい。