「青/chong」

朝鮮高校の青春


  

寝ている間はあまり発作が起きないけど、何かの拍子で、咳が出始めるともうとまらない。腹筋が痛いので、身をよじって咳が止むのを待つしかない。つらいなぁ。
そんな最低の状態で迎えた東京の朝。風が強いけど、気持ちよく晴れてる。 鼻をかみすぎて、鼻の下が痛い。おまけにポケットティッシュも切れかけている。不思議なもんで、ティッシュって自分が欲しいときには、いっこも配ってへんねんなぁ、どうでもええ時にはいやっちゅうほど貰うのに。

在日朝鮮人の監督が自分の経験を踏まえて、学校の卒業制作に作った映画が東京で公開されてる(大阪でも公開予定)。タイトルは「青〜chong」。
会場は東中野にある「Box 東中野」。東京は人もたくさんいるけど、映画館もたくさんある。だからいろんな映画が公開されていて、うらやましいなぁ。
ここは定員が100名ほどの小さな劇場。ビルの地下2階。
昨日のキネカ大森よりもうんと綺麗な劇場です。
予告編の一部はビデオで上映されていたけど、本編はちゃんと映写機を使って上映されました。

主人公は朝鮮高校に通う野球少年。
朝鮮高校って、言葉では知っていたり、そういう学校があるという事実を知っていたりはするけど、その中味については全く知らなかった。
女性教師がチマ・チョゴリを着て授業をしていたり、黒板の上には「金日成」と「金正日」の二人の写真が飾られていたりする。授業は全部ハングルで行われている。そんな風景をどんどん映してくれて興味深かった。
主人公の男の子はその辺にいる日本人の高校生となんら変わらない。でもケンカは強そうだ。

一応、彼の通う朝鮮高校の野球部が高野連に加盟することが認められ、その初めての公式戦を迎えるまでのストーリーなんだけど、野球もやっていると言う程度の扱いで、朝鮮高校に通う高校生のリアルな姿があまり脚色もなく、等身大で描かれている。
日本や日本人に対する強烈な対抗心も入っているし、「俺なんか、次に生まれ変わっても在日でいい」なんていうセリフもある。
でも、何故か観ていて爽やかさを感じるねんなぁ(どうしてなのかはよくわからへんけど)。

自分の姉が日本人の彼を家に連れて来たり、幼なじみの同級生に淡い恋心を抱いたり、カツアゲしに来た日本人のチンピラを逆に殴り倒したり、散りばめられているサイドストーリーも良く出来ていて。二重丸の映画でした。

大阪では近日中に扇町のミュージアムスクエアで公開予定です(いかにもここで上映されそうな映画やもんなぁ)。
さぁ、来週はいよいよ「ダービー」だ!

おしまい。