「柳と風」 |
がんばれクーチェク! |
年が明けてから、毎週末に「やま歩き」に行っていましたが、先週はとうとうお休み。「春眠暁を覚えず」で、厳寒期よりも、この頃のように少し寒さが弛んだときの方が寝坊しやすいね。私の好きなツバキが多い六甲山系は、これからが歩くのにぴったりやねんけどな...。野鳥の名前も少し(ほんの少しやけど)覚えたし、来週からはまたのんびり歩きます。
さて、今回観てきたのはイラン映画。またまた子供が主人公で、タイトルは「柳と風」。「運動靴と赤い金魚」や「太陽は、ぼくの瞳」もイランの映画で、子供が主人公でしたね。子供たちが先生や目上の人に話しかけるときに、右手の人差し指を立てる仕草(習慣?)も健在です。 ストーリーは凄く単純なんだけど、はっと胸を打たれる佳作でした。
ある街の小学校の教室に転校生が、教頭先生に連れられてやってくる。父親の転勤で遠くの街からやってきた。みんなに挨拶して、席があてがわれる。授業は算数の時間だ。やがて、机の上に水の滴が落ちてくる。外を見ると雨が降り出したようだ。転校生のアルダカーニくんの目は、もう先生の姿や黒板に戻らない。 なんか、とっても新鮮。 このアルダカーニくんの雨にまつわるエピソードはサイドストーリーなんだけど、やっぱり世界は広いなぁ。以前、雨が一度降ったそうなんだけど、その時は「夜だったから、寝ていて見られなかった」そうです。
彼の机に雨が吹き込んだのは、クラスメートのクーチェキが、硝子を割ってしまったから。クーチェキは代わりの硝子をはめるまで授業を受けさせてもらえない。だから、廊下にずっと立たされてる。どこの国でもワルガキは廊下に立たされるのね。やがて授業が終わり、先生から「二週間も待った。今日中に硝子をはめ代えなければ、明日から学校に来なくていい」と最後通告を言い渡されてしまう。 ここからが、この映画のクライマックス。硝子屋さんから学校までどれだけの距離があるのかわからないけど、子供の手に余る大きさの硝子を手にしたクーチェクが、折からの強風と雨のなか、野を越え丘を越え、その硝子を割らずに学校まで行き、無事にはめることが出来るのか。はらはらどきどきの連続です。 はっ、とするラストでは涙が出そうになりました。 おしまい。 |