「ルアンの歌」

武漢の青春譜


  

大阪城ホールのイベントも無事終了して良かったですね。みなさんご苦労様でした。今回で2回目ということもあって、運営もずいぶん上手くいったみたいです。ボクは荷物の運び上げで、普段使わない腕の筋肉を使って、腕が痛い痛い。

さて、今回観てきたのは「ルアンの歌」。1994年中国の作品です。会場は扇町のミュージアムスクエアですから、ここで開催されている「チャイニーズ・オデッセイ」の第2弾ということになります。入場者は私を含めて8名。この会場らしくていいですね。
舞台は1980年代の中国内陸の長江(揚子江)沿いにある都市・武漢(ウーハン)。この武漢には昨年、一昨年と続けて訪問しているだけにやっぱり親近感が沸きますね。武漢も面白い街ですので、チャンスがあれば一度行ってみてください。

トンツーは都会で一旗揚げようと、田舎から出てきた。でも、竹竿を片手に荷物運びでわずかな収入を得るだけで、同郷の兄貴分ガオピンの部屋に居候している日々だ。ガオピンはいつもスーツを着ていて(と言ってもヨレヨレだけど)、いつかは自分で商売を始めたいと思いながらも、ヤクザのような仕事をしている(らしい)。
ある日、ガオピンはチンピラに騙されて大金を横取りされてしまう。ガオピンは嫌がるトンツーと一緒にそのチンピラの居場所を知っているナイトクラブの歌い子ルアン・ホンを誘拐してくる。この晩から3人の奇妙な生活が始まる。ほどなく、ガオピンとルアンは「出来て」しまい、ガオピンはトンツーに「これが、都会の恋だ」とわかったようなわからんような言い訳をする(ところが、かわいい)。

純朴だったトンツーが、だんだん都会の生活に慣れていき、街の中で自分の居場所(決して、居心地のいい場所ではないのだけど)を見つけるまでの経験を描いている、一種の青春映画ですね。
これが現実なのかもしれないけど、なんとも「夢」のない物語で、全体のトーンが暗くて、貧しいのね。ボクは武漢の町並みや長江の流れを見ることが出来るだけで満足だけど、中国に興味のない人には、退屈なだけの映画かもしれません。
上映はもう終わってしまいました。たぶん、ビデオやDVDにもならないでしょうから見ることもないでしょう。

おしまい。