「リベラ・メ」

絶対に消防士になりたくない!


  

三連休の最終日は京都へ。せっかく京都に出たのだから美味しい昼ご飯を食べようと思ったら、レストラン亜樹はお休みだった。ちぇ、つぃてないなぁ。
仕方ないから、パスタとピザ。でも、このホワイトソースのパスタが(意外と言っては失礼だけど)美味しかった。

で、京都映画祭で観たのは「リベラ・メ」という韓国の映画。
会場はシルクホール。産業会館には仕事で時々お世話になっているけど、このシルクホールに入るのは始めて。かなり年期が入ったホールでした。座席もちょっと傾斜が緩くて前の人の頭が気になる。「映画の上映も出来る」というレベルですね。
上映前にアナウンスがあり、この「リベラ・メ」の監督ヤン・ユノと主演の一人ヒスを演じるチャ・スンウォンが舞台挨拶をするらしい。このホールで、しかもこの入り(500名ほどの座席数に対して半分以下)で、舞台挨拶とはちょっと可哀相ですね。事前に告知されていれば、もっとコアなファンが押し掛けたでしょうに...。
舞台挨拶をするのが、この映画には出てないけどシム・ウナさまやチョン・ドヨン、イ・ヨンエとかやったらなぁ...。

とにかく、凄い迫力。
もし、生まれ変わっても、絶対に消防士にだけはなりたくないな。
そんな映画だった。

でもね、ちょっと素直には感動出来かねる作品。それは脚本の悪さと人間関係の複雑さにあるな。
もっと単純に表現できるストーリーなのに、やたらいろんな人間が出てきて、話の枝葉を広げてしまい、焦点が定まらないでぼやけてしまっている。それが残念。

釜山にある消防署。ここのベテラン消防士サンウは自分のミスでコンビを組む相棒を火災現場で死なせてしまう。そして、今日の出動でも、新しい相棒ヒョンテと共に無謀とも言える救助活動を行ってしまう。最近多発するビル火災は放火の可能性が高いと消防署の紅一点ミンソンは分析していた。
まさに、頻発する火災の裏には放火魔ヒスがいたのだ。彼は幼い頃に父親から受けた虐待がトラウマになり、放火を続けていたのだ。
やがてヒスの魔の手はサンウの身辺に迫り、彼を狙った爆発でヒョンテが代わりに事故死してしまうのだ。そしてサンウは...。

人間描写が恐ろしく下手くそで、ヒスのトラウマがどうして放火によって癒されるのかさっぱり分からないし、どうやって火災や時限爆弾の知識を得たのかも不明。また、個人的にサンウに対して恨みを持っているわけでもないのに、執拗にサンウを狙うのかも分からない。またサンウとヒョンテやミンソンとの人間関係も説明不足やね。それに、殺さなくてもいいようなサンウの同僚が次々と命を落としてしまうのどうかな。
これでもかって感じで延々と続く火災現場のシーンは、まさに圧巻なだけに、もう少し上手く人間関係と背景を描いてくれれば「名作」の域まで達したのではないでしょうか。ドラマの部分が弱すぎます。

と、辛口に書きましたが、一見の価値はあり。 サンウにはチェ・ミンス(「ユリョン」に出てましたね、最初はチェ・ミンシクと勘違いしていて、映画が始まってから気付いた)。ヒョンテにはユ・ジテ(イ・ヨンエの新作「春の日は過ぎゆく」にも出演、「アタック・ザ・ガスステーション」でも主演していました)など、他にも何度か顔を見かけたことのある俳優さんもいて、なかなかの豪華メンバーが出演しています。
近日中に松竹系でロードショー公開。乞御期待!

おしまい。