「バトル・ロワイヤル」

女子高生と一緒に観る映画


  

ピカデリーといえば松竹の旗艦映画館。ここで、荒波が岩に砕ける東映映画のオープニングを見る日がくるなんて、時代も変わったなぁ。
今日ご紹介するには「バトル・ロワイヤル」。昨年、R-15指定で公開された映画ですね。劇場はピカデリー梅田。平日の最終回にも関わらず、2/3が埋まるほどの盛況です。いつも私が行く映画の客層とは明らかに違う。女子高校生(しかも制服)のグループが多い(いや、ほとんど)。後は大学生のアベックかグループですね。おっちゃんの姿は少ないし、おばさんはいない。
いつになくざわついた場内で予告編が始まる。いつもなら徐々に話し声が小さくなって、予告編の2本目にはシーンとなっているもんやけど、今日は違う。話し声や笑い声、ガサガサという袋を開け閉めする音がいつまでもやまず、不安がよぎる…。

この作品、当時高校1年生だった甥っ子が、昨年の正月に家に来たときに読んでいた本が原作。いつもマンガばかり読んでいた甥っ子が珍しく新書版の分厚い本を一心に読んでいるので、私も興味を持ち読んでみました。ボリュームのある長編ですが一気に読ませる話でした。でも、内容からまさか映画になるとは思っていなかったけどね。主人公の藤原竜也が、京都支部にいるモリアキ部長の同期、服部くんに似ている(こんなことはどうでもいいんだけど)。前田亜季もなかなかかわいい。

映画は原作をかなり忠実に再現したものになっています。
中学3年生の一クラスが絶界の孤島に送り込まれ、お互いを殺し合い、最後に残った一人が勝者として家に帰れるというゲーム(?)のプレーヤーになる。制限時間は3日間。各人には何か一つ武器と水、食料、地図などが配られる。藤原竜也にあてがわれた武器はアルミでできた「鍋の蓋」だから笑ってしまう。主人公の二人がどうやって生き残っていくのかというメーンのストリーと、40名のクラスメートが次々に殺されていく(あるいは自ら命を絶つ)話が絡みあっていて、原作ではもっと掘り下げられていたサイドストリーがさっと撫でられたように展開されてまとまりは悪いのですが、失礼な言い方やけど結構楽しめます。
昨日までクラスメートで普通に話していた仲間と理由もなく殺し合いをしなければならなくなった心の葛藤をもう少し深めて欲しかったとは思いますが、そんなことしていたら5時間ぐらいの映画になっちゃうね。
女の子達が灯台に立てこもっているんやけど、ほんのちょっとした行き違いから修羅場と化してしまう。人間は極限に近い状態に置かれるとこんなになってしまうんだなぁ。

この映画を観て「愛は素晴らしい」とか「いい友達を持とう」とか「暴力や殺し合いはあかん」というなんか意味を見つけようという気はさらさらなくて(きっと一緒に見ていた女子高生たちもそうだろうけど)、一つの娯楽作品として「まぁ、面白かった」と思いました。

ビート・タケシがなかなかの好演。この人すっかり「芸術家」風だけど、こんな少し「凄み」のある役もいいね。最後に主人公たちとビート・タケシとの絡みはちょっと「蛇足」だけどね。

「バトル・ロワイヤル」は多くの映画館で1/26までの公開。それ以降もどこかで上映しているはずです。(映画が始まると女子高生たちも静かになりました)。

このところ寒い日が続いてますね。天気が短い周期で変わっていって、もうそろそろ「春」という声が聞こえてきてもいいように思います。もう少し暖かくなったら、このほど「名人」を襲名(?)した辻内と加太に鯛釣りに出掛けたいですね。
今日は雨音が聞こえるほどの雨。今週も土曜の山歩きはお休み。日曜に歩くと月曜に響くんだよなぁ。山のツバキがそろそろほころび始めているでしょうから明日は大舟山にでも行きましょうか。

おしまい。